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コラム:ウクライナ情勢からのぞく「核の脅威」

2015年 03月 11日 18:17 JST
 
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Commodore Philip Thicknesse

[10日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領が世界をどう見ているか正確に知るのは極めて難しいことだが、われわれには確実に分かっていることがいくつかある。

第一に、ロシアは常に自分たちが包囲され脅威にさらされていると考えている。また、ソビエト連邦崩壊後の北大西洋条約機構(NATO)の拡大により、その包囲網は強まっていると彼らは考えている。

第二に、ロシアは過去20年で、物理的にも概念的にも縮小した。旧ソ連は無視できない超大国であり、冷戦構造の維持に世界を専念させておくことができた。ソ連のアキレス腱は経済であり、NATO陣営の冷戦勝利は本質的には経済的勝利と言える。西側は経済力を背景に、優れた軍事技術や数では劣るがよく訓練された兵士を投入することで勝利を収めたのだ。

ソ連崩壊後、ロシアは連邦を構成していた多くの共和国を失った。こうした旧ソ連構成国はある意味、ロシアと同国を取り巻く脅威との間の「緩衝材」として機能していた。また、海洋へと通じる必要不可欠なルートを提供してもいた。

ロシアに保証された唯一の港はすべて北岸にあり、北極圏が夏となる数カ月しか機能してこなかったという意見もあるかもしれない。現在は北極海の海氷面積が減少したとはいえ、北極海航路は安定しているとは言えず、戦略的に十分ではない。一方、バルト海では、サンクトペテルブルクと飛び地のカリーニングラードの港はよく機能している。だがロシアは、かつてドイツの領地であったカリーニングラードの長期的な安定を案じているに違いない。同時に、欧州にとってもカリーニングラードの安定は重要であるはずだ。当地が安定している限り、バルト海に面する他の港や国々に対する脅威が減るからだ。また、東に目を向ければウラジオストクがあるが、20世紀初頭には日本と米国、また冷戦時代においては米国の脅威にさらされた。

このような環境が、ロシアをクリミア半島に向かわせたのかもしれない。ウクライナが1991年にソ連から独立したとき、同半島は大きな戦略的問題となった。ウクライナの独立は、ロシアにとって単に通商や緩衝国を失うだけでなく、海洋へのルートが断たれるということを意味するからだ。緊急時対策に関わる問題であり、軍港や他の軍事基地が利用できるようにする必要があった。

それが正しいなら、西側はプーチン大統領が抱える問題の本質を理解するため、明瞭かつ慎重にウクライナ情勢を見極める必要がある。安定した海洋ルートを確保したいという思いがロシア人の精神にあまりに深く染み込んでいるため、それがプーチン大統領の政策とリスク許容度にも影響を与えている。   続く...


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