【レシピ】世界一ロジカルな「豚しゃぶキャベツのからし酢みそ」(とても美味)

写真12-1
LINEで送る
Pocket
email this

【シリーズ】

オタク男子が美味しく自炊したら書くコラム
VOL.3 豚しゃぶキャベツのからし酢みそ

 

主婦の友社のお料理の本からベストレシピをセレクト、スタッフが自分で作ってご紹介する「主婦の友キッチンレシピ」です。このコラムの著者は文末のプロフィールの通り30代独身エンジニア男子なのですが、送られてきた原稿を最初にさーっと読んだ際、半分くらいから「えっ、野菜に含まれる有機酸?えっ?」「えっ、タンパク質変性? なにこれ物性の取材?」と大変混乱いたしました。でもラストまで読むといつの間にか「美味しいお料理を美味しく作るためのコラム」に戻っているので、今でもキツネにつままれた気分です。

 

(コラムスタッフ・TAKAさん プロフィール)

 

 

「豚しゃぶキャベツのからし酢みそ」を作りました。

最近は個人的に豚肉ブームなんです。豚肉ってお手頃だし、旨みたっぷりだし、適当に焼いて食べるだけでも本当に美味しい優等生食材ですよね。

たくさん含まれているビタミンB1は、肉体疲労の回復にも、脳を使う場合にも、疲労回復やエネルギーを発揮するのによいそうです。

今回のこのレシピは、豚肉と野菜を湯がいて調味料であえるだけの簡単調理なので、忙しい時間の中でも作れそうだなと思って選びました。豚肉でタンパク質、ニラでビタミンA、キャベツでビタミンCが摂れるので、白いご飯で食べれば1品だけでもバランスよく食べられそうです。

キャベツ、ニラ、万能ねぎがおそらくあまりますが、どれもお味噌汁や炒めものなど他に転用しやすいので、あまった材料を考慮してもムダのないレシピなのもよい点ですね。

 

 

では、作ってまいります

■材料■(2人分)
豚バラ薄切り肉 150g
キャベツ 1/4個
にら 5本
万能ねぎ 適量
塩 少々
A 白みそ 50g、砂糖・サラダ油 大さじ1、酢 大さじ3、卵黄 1個分、ねりがらし 小さじ1

写真1

 

 

0.主材料と下ごしらえ

キャベツはざく切りに、にらは5cm長さに切る。万能ねぎは小口切りにする。

写真2

葉に付いているキャベツの芯はとって捨ててしまいました。野菜炒めならそのまま平気で食べてしまうのですが、おそらくこの料理だと食感に影響するかと思うのです。

 

1.野菜をゆでる

なべにたっぷりの湯を沸かして塩を入れ、キャベツ、にらをさっとゆで、引き上げてざるに上げる。

写真3

手持ちの道具で簡単に調理するために、ざるに野菜を入れてゆでました。鍋には、ティファールのセットに入っていた、底の深いでっかいフライパンを利用しています。

 

写真4

茹で上がった野菜の色を綺麗にするために、たっぷりのお湯で茹でています。投入する塩ですが、僕は塩分濃度1.5%ぐらいにしました。

 

写真5

余談:

野菜を茹でる際に、色を鮮やかにするため塩を入れるという工程はよく聞きますが化学的理由があるようです。

クロロフィル(葉緑素)という成分が野菜には多く含まれますが、茹でた際に野菜に含まれる有機酸によりお湯が酸化し、その酸によりフィオフィチンという化合物に変化し、野菜の色を悪くするという現象が起きるのだそうです。

この変化を抑えクロロフィルの分子を安定化させる効果が塩にあるようです。また、酸化したお湯によってこの反応が起きるので、たっぷりのお湯で茹でるのも効果的なようです。

塩を入れる程度の工数で、見た目に美味しい料理になるならやらない手はないように思います。

 

2.肉をゆでる

1のなべの火を止め、豚肉を入れてゆで、色が変わったら引き上げて、ざるに上げる。豚肉はゆですぎるとパサパサになるので、火を止めた湯で色が変わるまでゆでる。水にとると脂が固まってしまうので、ざるに上げて冷ますのがコツ。

写真6写真7写真8

「火を止めた湯で色が変わるまでゆでる」というポイントですが、豚肉をゆがく際のコツとしてとても分かりやすくて便利な方法だと思いました。こちらの本は各所にこういったコツが書いてあってとても参考になります。

肉は高温で火を通しすぎると硬くなってしまいますが、火を通さないと食中毒などの面で安全性に問題があるので、その両方にちょうどいいところを狙って調理するのがプロの方々の技なんですよね。

「火を止めて豚肉をゆがく」今後の自分の料理に活かせそうです。

 

余談:

お肉に火を通す際には、どのようにして肉の内外部に温度が伝わっているかを考えると、少し料理の幅が広がるように思います。

科学的には肉に火を通しすぎるとパサパサになる、硬くなるというのは、タンパク質を変性させる温度に関係があるようです。

以下は私のような素人が調べた情報ですので、そのつもりでご参考程度に読んでください。

 

肉に含まれるタンパク質には、50℃で変性し始める「ミオシン」と、65.5℃で変性し始める「アクチン」が含まれていて、後者がなるべく変性しないように調理することにより美味しいお肉に仕上がるようです(温度に関してはphなどで条件が変わるようです。)。

ではいたずらに低温で調理すれば良いかというと、殺菌など食品の安全性のためにも十分な加熱は必要です。

例えば、食品衛生法上での特定加熱食肉製品(ローストビーフなどだそうです)などでは「その中心部の温度を摂氏 63 ℃で 30 分間加熱する方法又は これと同等以上の効力を有する方法以外の方法による加熱殺菌を行った食肉製品をいう」といった定義が記載されています。

パスチャライゼーション(低温殺菌法)と呼ばれる加熱殺菌法では、63℃で30分加熱する低温保持殺菌という方法があるので、おそらく食品衛生法ではこれを出典としているのではないかと思います。

さすがに30分もお湯につけてはいられないですが、高温短時間殺菌という手法では、72~78℃で15秒間加熱殺菌するとのことなので、じゅうぶんに熱い熱湯で、さっと湯がいて殺菌しつつもアクチンをなるべく変性させないようにするというのが豚肉をゆがくのに良い手段なのでしょう。

「火を止めた湯で色が変わるまでゆでる」というひと言には、ここまでの意味合いが含まれているのでしょうか……プロの知見は凄いものです。

 

3.あえる

1の水けをしぼってボウルに入れ、2、まぜあわせたAを加えてあえる。器に盛り、万能ねぎを散らす。

写真10写真11

混ぜるだけなので特に難しさも何もないですね。個人的に驚いたのは「卵黄」「サラダ油」がAの材料に含まれている点です。からし酢みそのレシピであまり見かけない材料です。

これっておそらくマヨネーズを作る時と同じ考え方ですよね。卵黄を乳化剤にしてサラダ油を混ぜ込んでいるのかと思います。

確かにこれらを加えたおかげか、とてもコクがあって美味しいからし酢みそに仕上がっています。凄くお店っぽいお味で、やはり料理にプロとして向き合っている方のレシピは一味違うなと思いました。

酢の種類は特に定義されていませんでしたが、僕は「米酢」を使いました。穀物酢でもいいのだと思いますが、この料理はコクのある和食の味わいに仕上がるのがきっと美味しいと想像したのでそうしています。

それと材料についてですが、こういった「卵黄」を使ったレシピの際に、余った卵白をどうするのかって結構悩みますよね。使い回しかとか色々あるかと思いますが、僕はもったいないですが捨ててしまっています。

取っておいて後で使うというのはひとり暮らしでは難しいですし、あまり美味しく食べられる卵白のみをつかうレシピを知らないんです。もともと卵1つ使うレシピだと思ってしまえば気持ちも納得できるかなと思います。

 

完成です、すばらしい

写真12-2

なんて簡単なんでしょう。野菜と豚肉を湯がいてあえただけです。

さっと湯がいて臭みもなく柔らかな豚肉を噛み締めて広がる旨味に、キャベツの歯ざわり、そしてそれら全てを一体に包み込み「料理」にしてしまう酸味とコクの有るからし酢みそ、彩りと香りの万能ねぎ……。

炊いたお米が物凄い勢いで減っていきました。この料理、これ自身がおかずなのではなくて、白いご飯そのものがおかずであり主役になりますね。ご飯がおかず。白いご飯の美味しさを数倍に引き上げる料理ですこれ。

炊きたて熱っあつの白いご飯をぜひ用意してほしいです、ほんとお勧めです。いや、ダイエット方面の観点からするとお勧めできませんが、こんなに美味しかったらたくさん食べても仕方ないです。明日は最寄りから1駅前で降りて多めに歩いて帰宅しましょう。犬を連れてたくさん散歩しましょう。

材料も調理もシンプルなのに、プロのお味のおかず。素晴らしいレシピでした。

 

■このレシピが載っている本は■

笠原将弘の白いごはんに合うおかず

予約の取れない和食屋、賛否両論の笠原さんによる、白いごはんに抜群に合うおかず。

9784072844403

著者:笠原将弘:著 
ジャンル:料理
発売日:2012/10/13
ISBN:9784072844403
判型・ページ数:B5・96ページ
定価:本体1,280円+税

 

コラムスタッフプロフィール・TAKA 
1982年生まれ、ひとり暮らしで料理生活を満喫している独身理系男です。医療機器メーカーで設計開発職を仕事にしています。帰宅する時間はおよそ22時頃なので、基本的に外食多めの生活です。週末は友人と美味しいものを食べに行ったり、お酒を飲んだりするのが今の一番の息抜き、趣味になっています。初めて作った料理は、小学1年生の時に料理漫画に影響されて作った目玉焼き。理系男は料理好き!料理は愛情も要るけれど科学と道具も必要だよね!が持論。
LINEで送る
Pocket
email this

ご注文はこちらから
あなたにオススメの記事はこちらにも!