「泣ける」「切ない」との声が後をたたない『消滅都市』。プロデューサーである澤智明氏に取材し、プレイヤーの心を打つ音楽やストーリーの裏側に隠された制作者の強いこだわりを語っていただきました。
ドラマチックなゲームを作りたかった
とにかく新しくて面白いものを
──まず、澤さんが『消滅都市』に参加するまでの経緯と、今のお仕事内容について教えてください。
澤 智昭氏(以下、澤):『消滅都市』のプロデューサーをやっています。ちょうどゲームが立ち上がる前に「グリーとしてネイティブゲームで流行るものをつくろう。本気で立ち上げよう。」ということで、その第1弾として自分がプロデューサーとしてゲームを作ることになりました。
──「ドラマ×アクション×RPG」というコンセプトはどういう経緯で生まれましたか?
澤:最初はとにかく「世の中に無い新しくて面白いゲームをつくろう」と考えました。ディレクターの下田と「ドラマや映画では現代をモチーフにしたドラマチックなストーリーをみんな楽しんでるのに、ゲームではそれが無い。そこを本気でやって掘り下げて行けば面白いものになるんじゃないか」という話からコンセプトが決まりました。
──最初は現代ドラマではなく「王道ファンタジーRPG」だったとお伺いしましたが
澤:そうですね。『消滅都市』以前であるそのときはディレクターの下田と「とにかく早く、おもしろいゲームをリリースしよう」と話し合い、市場にファンタジーRPGが流行しているという経緯もありプロトタイプを作りました。
しかし、できたものを見て、いまいち面白いと思えなかった。じゃあもう一度「本当に面白いものとは何だろう」という点に立ち返ってみて、先ほどの「映画のようなドラマ性」という話になりました。
エンジニアがセリフを考えた?「役割にとらわれない」チームの発想力
──たった6ヶ月の開発期間ということでしたが、大変ではなかったですか?
澤:みんな楽しくやってましたよ。そうはいってもスケジュールが短いので、とにかくやらなければならないという空気のなか、本気でやっていました。「役割にとらわれず何でもやろう」というのがチームのコンセプトなんです。エンジニアが企画を自分で発案したり、開発したりしていました。
──エンジニアさんからも、企画が出ていたんですか?
澤:そうですね。例えば『消滅都市』って敵の攻撃のときに面白いセリフがよく入るのですが、エンジニアが考えたものがいくつかあります。ギークにも反映されていますし、やっぱりサラリーマンはものすごく盛り上がりました。「情熱の名刺交換」とか(笑)
──澤さんが個人的に好きなキャラクターはいますか?
澤:サラリーマンが好きです。『消滅都市』っぽいというか。他のゲームではなかなか出てこない。「電話は鳴る前に取れ」という攻撃のセリフがあるじゃないですか。あれ僕が考えたんですよ(笑)
「無言」のCM、その理由──伝えたかった思いとは?
何より、感情を揺さぶりたかった
──次に、テレビCMについていくつかお聞きします。切なさが印象的なCMですが、なぜこのような演出をしようと思いましたか
澤:「『消滅都市』として一番伝えたいものは何だろう」と考えたときに、ドラマ性があり「感情を揺さぶるものであること」で、まず第1弾としてはああいう本当にシンプルなものにしました。最初に「はっ」と見入ってしまうと思うんです。他にはなかなか無い。静かな音楽に、ドラマ性を感じてもらおうと作りました。いちばん最初のCMでもあったので、「ちょっと気になるな」と思ってほしかったんです。
──演出の着想はどこから得ましたか?
澤:大事にしてきのは、「感情を揺さぶられる」「気になるドラマ性」というところです。あのCMでは、あえて何も語らずに、何か感情が動いてる人がいるというところで気になってもらおうと。
──CMに対してはどのような反響がありましたか?
澤:まず遊んでくださる方がとても増えたのですが、Twitterでよく見るのは「あのCM気になる、好き」とか、ゲームをダウンロードしてもらうと、「音楽がいい」と言っていただけました。
──間違いないです(Game8スタッフ2名、口をそろえて)音楽は反響がすごいですよね。
澤:あの音楽に『消滅都市』のCMということで、「つい見ちゃう」とか「気になる」「好き」という声がすごく多かったです。
Wright Flyer Studios『消滅都市』プロデューサーの澤 智明氏。