快感が保証されていてもやる気になれない原因

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この発見からベリッジは、ドーパミンが担うのは何かを「欲する」ことであって、何かを「気持ちよく感じる」ことにはかならずしも関係しないという重大な洞察を引き出した。「欲する」ことと「気持ちよい」ことのふたつは快感という現象の異なる側面であり、それぞれに独自の神経伝達物質が関与している。

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一昨日の好結果が保証されていてもやる気になれない理由のさらに続編です。

「なんで風呂って気持ちいいことわかってんのに動けない」のかに対する脳科学的な「答え」は上記引用のようになります。

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ふつうもちろん私達は「気持ちいいことに向かう」のですが、とは言え「気持ちいい」と「向かう」は切り離すことができるわけです。

快感が持続性をもたないのは、じつはまったく理に適っている。食べる・飲む・生殖するという衝動はどれも、種が生き延びるために不可欠な要素だ。けれど、ひとたび食べたり渇きをいやしたり性交をしたりすれば、快楽のスイッチをずっとつけておく必然性はなくなる。だから、快感だけをたよりに幸福を追求するのはそもそも無茶な話なのだ。

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実際、突き詰めて考えてみると、人は「快感」と「行動」を切り離す技術を相当高めてきています。ヴァーチャル・リアリティはある意味、2者の分離を目指してきた成果です。

風呂に入る気持ちよさを風呂に入らずに得る、というような技術は、私はきいたことがありませんが、快感にフォーカスするということは、意欲から注意をそらしているということでもあります。そして、脳は体力と気力を節約しなければならないプレッシャーにさらされている以上、行動を起こさずに快感が得られるなら、それに越したことはないと判断することも、あり得るのです。

そして風呂には永遠には入れない。

などということはあり得ません。その理由は、人は「損したくない!」と思えば行動するからです。