ウクライナが資本規制強化-通貨フリブナ急落でリスク増大
(ブルームバーグ):ウクライナ国立銀行(中央銀行)は23日、資本規制を強化した。債務再編協議を控え、同国の財政を圧迫する通貨フリブナ急落の阻止が目的。
同中銀のゴンタレワ総裁はキエフで記者団に対し、輸入業者による外貨購入を抑制するほか、銀行に対しては市場でのフリブナ売却を目指す顧客への融資を禁止したと説明。資本流出を抑える上で必要があれば、さらなる手段もあると付け加えた。
10カ月に及ぶ親ロシア派武装勢力との戦いでウクライナのリセッション(景気後退)は深刻化、同国は国際通貨基金(IMF)への救済融資要請を余儀なくされた。年初来で44%下げている通貨安が原油や天然ガスなどの輸入コストを押し上げるとともに、対外債務負担を重くしている。ウクライナ政府は6月までに債権者と合意したい考えだ。
ドラゴン・キャピタルの債券トレーダー、フョードル・バグネンコ氏(キエフ在勤)は23日の電話インタビューで、「フリブナ相場の現在の水準は国内のエネルギー価格を押し上げ、対外債務の持続可能性を低下させるなど、あらゆる面で非常に悪材料だ」と指摘。「戦闘に関連する懸念とIMFプログラムの遅れにより民間企業はハードカレンシーを蓄えようとしているが、こうした悪循環を断ち切る中銀の能力は外貨準備が極めて乏しいため損なわれている」と説明した。
ゴンタレワ総裁のコメントを受け、フリブナは一時11%安の1ドル=31.5フリブナと過去最安値を更新。キエフ時間23日午後7時12分(日本時間24日午前2時12分)現在、1ドル=28フリブナで推移している。ウクライナ中銀の外貨準備高が1月に過去最低の64億ドル(約7600億円)に縮小する中で、フリブナはこの1年間に68%下落した。昨年1月の外貨準備高は178億ドルだった。
原題:Ukraine Tightens Capital Controls as Hryvnia Drop Fuels Risk (1)(抜粋)
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更新日時: 2015/02/24 08:53 JST