材質や形状に左右されず、さまざまな物体を持ち運べる産業用ロボットハンドを、九州工業大大学院の西田健准教授(制御工学)が開発した。一般的な「ツメ」で挟むタイプに比べ、製造コストを抑えられることから、中小企業でも導入しやすく、メーカーや物流などの効率アップが期待される。
ロボットハンドの先端は、ドラえもんの手のような半球型をしている。耐久性・柔軟性に優れたシリコンゴムでできており、ゴムの内部は、直径0・2ミリ以下の微細な鉄粒子が混ざった油が充満している。
何でもつかめる仕組みはこうだ。先端が対象物に触れた際、電気の流れによってゴム内部の鉄粒子を分散し、ゴムが柔らかくなり、対象物の形状にぴたりと合う。その後、電気を止めると、鉄粒子が内部を再び移動し、ゴムが固くなり、対象物を固定する。
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