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「たち吉」 ファンドで経営立て直しへ2月20日 13時58分
創業260年を超える和食器販売の業界最大手で、慢性的な経営不振に苦しんでいる「たち吉」について、東京の投資ファンドが10億円余りを投じて経営の立て直しに乗り出すことが明らかになりました。
京都に本社を置くたち吉は江戸時代に創業され、社歴が260年を超える老舗の和食器販売会社です。
贈答用の陶磁器などを中心に高い人気を集め、バブル期には200億円を超える売り上げがありましたが、長引く経済の低迷で和食器の市場が縮小し、価格の安い海外製品との競合もあって売り上げが落ち込み、最近は慢性的な資金不足に陥っています。
このため、関係者によりますと、東京の独立系の投資ファンド、「ニューホライズンキャピタル」がおよそ11億円を投じて経営の立て直しに乗り出すことになったということです。
具体的にはファンドが設立する新たな会社に事業を移し経営陣を刷新するとともに、雑貨店などの不採算事業から撤退するなどして再建を図る見通しです。
陶磁器など日本の伝統的な製品は海外で注目を高めていることから、ファンドとしては、たち吉の歴史やブランド力を生かしてアジアなどで販路の拡大を目指す方針です。
たち吉は業界最大手の企業として、全国各地の窯元に自社ブランドの和食器の製作を依頼してきたことから、経営が立ち行かなくなれば業界全体に幅広い影響が及ぶことになる懸念があるだけに、ファンドの支援で老舗企業が再建を果たせるか注目されます。