「イスラム国」、新たに楽器を燃やす画像公開
フジテレビ系(FNN) 2月19日(木)20時6分配信
過激派組織「イスラム国」の壊滅に向けて、アメリカのオバマ大統領が、各国の結束を呼びかけた。一方、「イスラム国」が新たに公開した動画には、ある狙いが隠されていた。
オバマ大統領は「教育を受けていない若者は、陰謀説や過激な思想の影響を受けやすい」と述べた。
60カ国以上が参加したテロ対策の国際会議で、過激派組織「イスラム国」によるプロパガンダへの対応が必要だと訴えたアメリカのオバマ大統領。
そうした中、「イスラム国」が新たなプロパガンダ画像を公開した。
地面に集められた太鼓やトランペット。
中には、袋がかかり、新品に見えるものもあった。
次の画像で、黒ずくめの男が、楽器の山に近づき、楽器を燃やしている。
そして、その様子を複数の黒ずくめの男らが眺める画像もあった。
なぜ楽器を燃やす映像を公開したのか。
東京外国語大学の飯塚正人教授は「『イスラム国』というのは、もちろんテロリストなんですが、本人たちとしては、自分たちは、厳格なイスラム原理主義者であると。音楽も禁止、酒も禁止、それを徹底的にやっているということを示すために楽器に火をつける」と話した。
「イスラム国」が以前、公開した動画。
その中で男性が「取り締まりで、たばこ商人を逮捕し、大量のたばこを押収した。これからみんなで焼却しようとしている」と話していた。
焼却された、大量のたばこ。
「イスラム国」は、イスラム教を厳格に解釈している姿をアピールし、不満を訴えるイスラム教徒の支持を得てきた。
「イスラム国」は、こうした映像を見せ続けることで、同調する仲間を増やそうと考えているという。
そのため、「イスラム国」は、宗教警察を名乗るグループが町を監視していて、酒やたばこ、楽器などを取り締まる様子をたびたび、公開している。
さらに、今回の画像には、もう1つ意味があった。
画像を公開したのは、リビア領内の「イスラム国」に同調するグループ。
新たに支配した地域でも、思想の統制がとれていることをアピールし、同調する外国人戦闘員を募っているという。
飯塚教授は「外の原理主義者たちは、そのトップランナーで、『イスラム国』が中心なんだということを認めれば、それはやっぱり『忠誠を誓うとか、合流するという道を選ばないといけない』というふうなことになりますから」と話した。
不満を持つイスラム教徒に向け、プロパガンダ映像を公開し続ける「イスラム国」。
その狙いをふまえ、オバマ大統領は「彼らは宗教的指導者ではなく、『テロリスト』だ。わたしたちは、イスラム教と戦っているのではない」と訴えた。
ワシントンで行われている国際会議は、日本時間の19日夜遅くに、中山外務副大臣も参加して協議が行われるが、必要なのは、若者を社会に復帰させるプログラムや教育であるという指摘もある。
最終更新:2月19日(木)20時6分