1月16日、昭和61年の創業以来務めてきた社長を退任しました。新社長には長男の旭人(あきと)が就きました。創業者もいつかは退任する、そういうことです。
企業は事業を継続することによって、初めて価値が生まれるものだと思います。100年続く企業にしようと常々考えながら、経営にあたってきました。
退任を口にしたのは平成24年末のことでした。
「25年12月期(25年1〜12月)決算の経常利益で過去最高益を更新できなければ社長を辞める」と宣言したのです。
実はその直前、ジャパネットは苦しんでいました。
22年12月期、売上高1759億円、経常利益136億円と過去最高を記録しました。家電エコポイント制度(注)が23年3月に終了することになっており、駆け込み需要が大きかった。そして、売り上げの半分以上、960億円をテレビが占めていました。テレビ通販という意味ではなく、テレビそのものの販売額です。
ところが、23年以降のテレビの販売不振は、予想をはるかに超えるものでした。この結果23、24年度は2期連続の減収減益となりました。
社員に危機感を植え付けようと、「25年度に過去最高益を達成できなければ、社長を辞める」といったのです。
とはいえ、リストラでは業績を回復しても、社員のマインドが下がってしまう。テレビ関連の売上高が消えるなら、ほかの商品で埋めればよいのです。
社員には「ジャパネットの原点に戻ろう。伝える力を磨き、お客さんの目線に立つんだ」と言いました。
「伝える力」を高める具体策として、24年8月に数十億円を投資し、東京・六本木のビルに、7つのスタジオを備えた東京オフィスを設けました。私が指揮する佐世保本社と、現社長の旭人が運営する東京オフィスで、商品の訴求力を競ったのです。
紫外線で除菌機能を持つ掃除機「レイコップ」は、競い合う中で東京のメンバーが開花させた商品です。畳からカーペットまで使える商品ですが、東京オフィスは布団に用途をしぼって訴えかけたことで、100億円を売り上げるヒット商品となりました。また、エアコンなど白物家電も10万台売れました。
ジャパネットは家族的な社風です。だけど、企業は仲良し集団では駄目。やはり厳しさがないと伸びない。
こうして最高益という目標は達成しました。テレビ関連の売り上げは60億円どまりにもかかわらず、他の商品がよく売れたのです。
それでも、社長を退こうと決心しました。25年度に続き26年度も好調で、経常利益が174億円と過去最高を更新したこともあります。それから私の年齢です。66歳で、今なら後継社長の相談にも乗れる時期だからです。さっと決断し、実行するのが、私の性格なんです。
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