文科省:考える道徳へ転換…学習指導要領の改定案

毎日新聞 2015年02月04日 22時13分(最終更新 02月05日 07時14分)

教科化で新たに加わった小学校道徳の学習内容※カッコ内は学習内容のキーワード
教科化で新たに加わった小学校道徳の学習内容※カッコ内は学習内容のキーワード

 文部科学省は4日、小中学校の教科外活動「道徳」を格上げし2018年度から本格導入する新教科「特別の教科 道徳」の学習指導要領改定案を公表した。現行の指導要領を踏襲しつつ、いじめ問題への対応を重視し「公正、公平、社会正義」を小学1年から扱う。また、討論しながら課題の解決策を探る「課題解決型学習」を取り入れ、「教材を読む道徳」から「考える道徳」への転換を図る。3月5日まで意見公募した上で今年度内に改定。夏ごろまでに教科書検定基準などを作成し、小学校は16年度の検定を経て18年度から、中学は17年度検定で19年度から、教科書を使った授業が始まる。【三木陽介】

 ◇いじめ対応重視

 道徳の目標を「物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる」こととし「特定の見方や考え方に偏らない」と明記した。

 授業時数は現行と同じ年間35時間(週1時間)で、学習内容は「節度、節制」「公正、公平、社会正義」など、指導の狙いを明確にした項目ごとに分類。道徳教科化のきっかけになったのが大津市の中2いじめ自殺事件(11年)だったことから、現行では小学校高学年以降で扱う「公正、公平、社会正義」を低学年から導入。小学1・2年で「好き嫌いにとらわれないで接すること」、小学3・4年生で「誰に対しても分け隔てしないこと」を新たに盛り込んだ。

 グローバル人材育成の視点から、低学年の項目に「他国の人々や文化に親しむこと」も加えた。中学は学習内容の変化はない。また、小学校では情報モラル、中学では科学技術、生命倫理なども扱い、課題解決型学習や体験学習で指導することを求めた。

 子供の評価は「学習状況や道徳性にかかる成長の様子を継続的に把握する」とし、数値ではなく、プラス面を記述式で評価する。ただ「道徳性」の評価法が確立されていないため、同省は専門家会議を設置し、今秋までに具体例を示す。教科書を使った授業は18年度からだが、新指導要領に沿った授業を先行実施できるように来年度中に教員用の資料を作成し、配布する。

 ◇教科化で充実図る

 「特別の教科 道徳」の学習指導要領改定案が4日公表された。文部科学省は教科化によって道徳教育の充実を図りたい考えだが、授業の進め方や児童生徒の評価を巡り、教員の指導力をどう向上させるかが成否のかぎになりそうだ。

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