『一生モノの人脈力』「三輪車の教訓」が教えてくれた、人脈づくりで大切なこと

by onezilla
 
 ビジネスでもプライベートでも、大きな武器となるのが広い人脈。しかし、ただ広げればよいというわけでもないですよね? 真に重要となるのが、その人脈の質。

 人脈と言えば、世界有数の経済誌である『フォーブス』誌で「世界で最も広い人脈の持ち主」と評されたキース・フェラッジ氏。彼は自身の著書『一生モノの人脈力』で、「本当のネットワークづくりとは、他人を成功に導く手段を探すこと、自分が得た以上のものを与えようと懸命につとめることなのだ」と述べています。

 今回は彼の著書から、彼自身が人脈づくりにおいて影響を受けたエピソードと人脈の広げ方のヒントに触れていきます。

著者、父から学んだ三輪車の教訓

 私は、自分には無理だと思ったり、不安に駆られたりするたびに、この三輪車の教訓を思い出すようにしている。(中略)思いきって口を開くこの勇気があったおかげで、私はどんな状況におかれてもチャンスをつかむことができた。

出典:キース・フェラッジ(2012)『一生モノの人脈力』

 ある時、通りすがりの家の前に壊れた三輪車が捨ててあるのを見つけました。父親は
その三輪車を拾い、その家のドアをノックし言いました。「お宅のごみ置き場にこの三輪車が捨ててあったんですが、頂いても構わないですか? 直して息子に使わせたいのですが」と。

 相手の見知らぬ女性も、「こんな壊れた三輪車が誰かの役に立つなんて」と喜び、
さらに「よろしければ自転車もありますよ。捨てるには惜しくてとってあったんです」と自転車もくれました。

 父親は、勇気を出してものを尋ねるのは一つの才能であり、時には相手への親切にさえつながることを教えてくれた。「最悪ノーと言われるだけではないか」

人脈づくりのヒント

他人の好意を素直に受け入れるだけでは足りない。自分から進んで他人に助けを求める必要がある

出典:キース・フェラッジ(2012)『一生モノの人脈力』

 意識しなくても自然に人脈づくりができる人はほとんどいません。三輪車の教訓にあったように、拒絶を恐れず、新たな出会いを求めることが人脈づくりでは重要です。そこで、信頼できる人間関係の輪を広げていくヒントをご紹介します。

夢中なことを共有する

 人間関係を築くには、まず相手と共通の話題を見つけること。仕事上の関心や個人的な趣味など、自身が夢中になれる話題が人をつなぐ接着剤になります。ビジネスでは、自分の興味のある分野について熱く語ることが大切です。

 大切なのは、相手と過ごす時間の質。会う回数ではなく、その人と一緒に何をするかを重視しましょう。

フォローアップは成功のカギ

 相手に強い印象を残したいときは、その人の周りの誰よりも気の利いたフォローアップを試みます。そこでは、相手にして欲しいことではなく、相手のためにしてあげられることを強調するのが大切です。以下にフォローアップの例を紹介します。

ジョークでも何でも良いので、相手と交わした会話の内容に触れる。
互いに約束した事があれば、その内容を文字にして確認する。
仲介してくれた人にも感謝の気持ちを伝える。

出典:キース・フェラッジ(2012)『一生モノの人脈力』


 著者が小さい頃に得た「三輪車の教訓」。皆さんも人脈づくりで不安を覚えた際、ふと思い出してみると何かが変わるかも。『一生モノの人脈力』を得たいと思った方は、実際の本の内容も確認してみてはいかがでしょうか?



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経済学の礎を築いた偉大な学者たちの『大いなる探求』

by frankieleon

 アダム・スミス、マルクス、エンゲルス、ケインズ、フリードマンなどの経済学者たち。学生時代に経済学を専攻していなくても、彼らの名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

 彼らが残した功績は、現代における経済学の礎になっています。著名な経済学者たちは、どのような道のりを経て、現代に受け継がれる思想を築き上げたのでしょうか。

 今回、ニューヨーク・タイムズ紙の経済記者であるシルヴィア・ナサー氏の著書『大いなる探求』から、偉大な経済学者たちは何を体験し、何を考えたのかといった部分に注目してみましょう。

本のハイライト

・産業革命による富の膨張をきっかけに、人間は自身の運命を変えることができるようになった。この時代の新しさを認識していたのはマルクスとエンゲルスぐらいのもので、彼らは富を分配する仕組みに致命的な欠陥が存在することで、経済体制の崩壊がもたらされるであろうことを確信していた。

・1860年代の経済危機と政治的動乱によって政治経済学の地位は貶められたが、マーシャルはそれまでの理論を改良し、この学問を科学たらしめることによって政治経済学を復活させた。

・マーシャルに師事したケインズは不況をやわらげたり回避することは可能であると主張し、大恐慌のメカニズムを解き明かし、有効需要に基づくマクロ経済学を確立した。

出典:大いなる探求の書評・要約 | シルヴィア・ナサー 著、徳川家広 訳


時代の「新しさ」に気づいていたマルクスとエンゲルス

 18世紀から19世紀にかけてヨーロッパで起こった産業革命によって、富が急激に膨張しました。これにより、食料や物資の生産性は飛躍的に向上しましたが、資本家と労働者の生活水準には大きな格差が生じることに。

 マルクスとエンゲルスは、これにいち早く気づきました。産業革命によって、かつての伝統的な階級社会では考えられなかった状況になる。つまり、富の膨張によって人々の運命を大きく変えることになるだろうと確信したそうです。

 彼らは『資本論』の執筆を通じて、その時代の労働者における生活水準の悲惨さを明らかにすることに成功はしました。しかし、労働者の賃金はそれからも低下し続けたため「革命」を通して「共産主義化」する必要があるという自説には根拠を示すことができませんでした。

 20世紀になると『資本論』は、ケインズによって「古めかしい経済学」と批判を受けることに。では、次にケインズが経済学者になるまでの道のりをご紹介します。

数学者を目指していたケインズの経済への道のり

 ケインズは、ケンブリッジ大学の入試を最高得点で合格し、主席で卒業するなど学生時代から非常に優秀だったそうです。当初は数学者を目指していたケインズですが、数学の優等卒業試験に失敗してしまいました。

 しかし、経済学者マーシャルの『経済学原理』に出会ったことで、経済学に魅力を感じるようになり、そこで転機が訪れます。彼は大学を卒業後、ケンブリッジ大学で貨幣論の研究を始めました。

 その後、イギリスで当時大蔵大臣をしていたロイド・ジョージに助言を求められたことがきっかけとなり、大蔵省に入省することに。ケインズはここで才覚を発揮し、戦時財政に関する全ての業務を担いました。

 この仕事を通して彼は、各地域が他の地域に経済的に依存することや、世界経済というのは心理的な面に大きく影響されるということ明らかにしました。それが、マクロ経済学の確立に繋がったそうです。


 『大いなる探求』から、マルクスとエンゲルス、ケインズを中心にご紹介しました。この本は、経済学者を一人の人間の物語として描いているので経済学に関する知識が無くとも非常に読みやすいものとなっています。気になった方は、ぜひ読んでみては?


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やる気なんて一時的なものには頼らなくていい 『モチベーションで仕事はできない』

出典:www.flickr.com

 毎日仕事をしていれば、やる気が出ない日もあるのではないでしょうか? 「モチベーションを高く!」と謳う風潮が溢れていますが、実際問題、毎日やる気に満ち溢れている状態なんて無理。

 そこで今回は、「モチベーションなんて必要ない!」と、新しい仕事術を提案する坂口孝則氏の本『モチベーションで仕事はできない』に着目しました。

 この本から、私たちはどんな思いで仕事へ向かえばよいのか、その一つの答えを内容の一部からお伝えします。

モチベーションは本当に必要?

何をやったってモチベーションなんてあがらない。
多くのひとは、モチベーションを高めようとしても、すぐにもとに戻った経験があるだろう。

出典:坂口孝則(2012)『モチベーションで仕事はできない』

 もしかしたら私たちは、「やる気やモチベーションは不可欠」という教えに縛りつけられ、強迫観念すら抱かされているのかもしれません。

 「今の仕事ではモチベーションが上がらない」そう言って会社を辞める人。仕事よりもモチベーションを上げることに注力する人。仕事をしない言い訳に、やる気のなさを挙げる人……。
 
 モチベーションは本当に必要なのでしょうか?

仕事への向かい方を考える

問題なのは私の気持ちがどうかではない。その結果を導いた、仕事のやり方こそ問題だったのだ。

出典:坂口孝則(2012)『モチベーションで仕事はできない』

 モチベーションを上げ続けたとしても、いつもと同じ仕事のやり方を永遠に繰り返すのでは同じ失敗を重ねるだけ。モチベーションの立て直しよりも必要なことは、仕事のやり方を変えることです。ここでは、著書に載っている心構えを2つ紹介します。

Yes or No、All or Nothingの発想をやめる

 「AかBか」「全か無か」の思考法は、人の視野を狭めます。やりたくないけどまわってくる仕事が愉悦をもたらしてくれる、と信じる心情が選択肢の幅を広げるでしょう。

「自分にはできない」「わからない」とはいわない

 これは、自分に壁をつくらず、妙な劣等感をもたない秘訣。この秘訣がモチベーションに左右されずに仕事をこなす姿勢へと繋がります。

「今」に集中する

「今さえよければいい」とは、刹那主義的な考えではない

出典:坂口孝則(2012)『モチベーションで仕事はできない』

 特別にやりたいことではなかったはずなのに、成功して振り返ったときに「これこそが成し遂げたかった夢だったんだ」という思い込み。それが仕事への希望になると著者は話します。 

 そのため、持っている夢とのギャップに悩んだり、少しプライドが傷ついたくらいで落ち込んだりするのではなく、ある種の楽観を抱いて、「今」に集中することが大切。

 「今に集中したほうが、長期的によい結果が出る」。成功者たちも、その多くは「今」に集中し、力を発揮してきたようです。


 「やる気なんてなくても成果は出せる」ことを伝えてくれた一冊の本『モチベーションで仕事はできない』。感じるものがあった方は、実際の本もチェックしてみてはいかがでしょうか?



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『21世紀の資本』トマ・ピケティ氏による世界的な格差社会の考察とは

出典:pixabay.com

 「格差社会問題」は、日常的にニュースに取り上げられるほど社会に浸透しています。これは、日本だけの問題ではなく欧米諸国においても同様です。「格差社会問題」が世界的に深刻な問題とされている中、経済学書『21世紀の資本』が出版されました。

 経済学の学術書であるにもかかわらず世界的ベストセラーとなった『21世紀の資本』。著者である経済学者トマ・ピケティ氏による「世界的な累進資本税制」というのはどういった考えなのか、この本をもとにピケティ氏の考察を一部ご紹介します。

富の集中と資本の格差拡大

 著者は、格差が生じる原因を歴史的な側面から分析を行いました。すると、資本主義には、第一次世界大戦と第二次世界大戦の時期を除き、ある程度一貫した法則をもっていることが明らかになったそうです。それは、資本は常に労働よりも分配が不平等というもの。

 たとえば、フランスでは富の62%を上位10%の裕福な層が所有しており、下位50%の貧しい層に関しては富を4%しか所有していないという状況でした。アメリカはさらに深刻で、富の72%を上位10%が所有しており、下位50%は富を2%しか所有していないそうです。

 労働による賃金の格差より、資本の所有による格差の方が非常に偏っているということがわかるでしょう。

「r>g」格差が拡大する原因とは

 格差は今後拡大し続ける一方なのでしょうか。著者は、「r>g」という不等式を用いて、そのことについて考察しました。

 「r」は、資本の平均年間収益率を「g」は、経済の成長率・所得や算出の年間増加率をそれぞれ指します。資本の平均年間収益率が経済の成長率を大きく上回ると、格差が拡大するリスクが高くなるそうです。

 人口の増加率の低下と、それに伴う「g(成長率)」の低下によって、21世紀は格差が拡大するだけでなく、19世紀と同程度の不平等な社会になる可能性があると著者は述べています。

世界的な累進資本税で解消できるか

 「r>g」という状況から脱する手段として、単純に民間の資本収益率を下げるような重い税を課すという方法があります。しかし、それを強制的に政府が行うと、成長率が下がってしまうだけでなく、事業を立ち上げる人も居なくなってしまう可能性もあるでしょう。

 それを防ぐため、解決策として著者が導き出したのが累進資本税を導入するという方法。具体的には、純資産100万ユーロ以下には0.1もしくは0.5%、100〜500万ユーロの財産には1%、500〜1000万ユーロの財産には2%、数億〜数十億ユーロの財産には5もしくは10%の税を課すというものです。

 肝心となるのが、この累進資本税は国を超えて世界的な規模で行わなければいけないという点。現代の格差は一部地域だけの問題ではなく、世界的な問題であるため、国際的な協力が必要だと著者は述べています。

 この方法は理想として優れていますが、すぐに適用できるものではありません。グローバル時代の、一種の世襲的な富の蓄積を続ける資本主義。それを脱して資本に対する累進資本税を進めるためには、国際関係の透明性や、地域的な政治統合の必要性があるでしょう。


 『21世紀の資本』は学術書であるため、歴史的な分析から結論に至るまで詳細に書かれており、非常にボリュームがあります。「格差社会」が当たり前になりつつある現代に警笛を鳴らすこの本は、いまこそ読むべき一冊でしょう。

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