経済発展の進むミャンマーにとって、発展の推進力であるエネルギーは切実に必要となってきている。
現在、ミャンマーは大変に豊富な天然資源やエネルギー資源を売ることで国家収入を得ている。
ミャンマーへの海外直接投資(FDI)の最も多い分野は電力とエネルギー分野であり、政府の公式統計によると、今年9月末までのFDIの最も多い2分野は電力分野と石油および天然ガス分野で、それぞれ190億米ドル強と150億米ドル強、全国の分野別投資率にして約39%と約30%強である。
しかし、ミャンマー国内での電力普及率は未だ30%に満たない。
エネルギーは経済発展の勢いを滞らせないための主要な推進力であり、未来のエネルギー安全保障のために政府がどのような政策をとっているのか知っておく必要がある。
国家エネルギー管理委員会の結成、国家エネルギー政策の策定、全国村落電力供給法の制定など、多くの政策、法律、規則の作成と遂行を、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)と日本国際協力機構(JICA)の支援で進めている。
しかし、アジア開発銀行のミャンマー担当局長であるウィンフリード・F・ウィックレイン氏の言葉に勢いはない。
「ミャンマーはエネルギー資源が大変に豊かな国家であるが、一人当たりの電気使用量は大変に少ない。一回のエネルギー輸出協定でも永年的な契約になっているのが難題の一つだ」と同氏が語った。
エネルギーの宝庫
ミャンマーにエネルギー資源が豊富であることは、政府がしばしば打ち出している。
ミャンマーは鉱物が豊富であるとともに、2832kmの長さの海岸線一帯に世界的にも貴重な石油と天然ガスの宝庫がある。
沿岸の深海、浅瀬、あるいは内陸にある諸鉱区で発見されている天然ガスの埋蔵量は11兆8000億立方フィートであることがアジア開発銀行の調査報告で明らかにされ、他に10兆立方フィート、20兆立方フィートという数値も出されている。
石油埋蔵量も約5000万バレルから2億1000万バレルと報告がなされている。この埋蔵量のうちには、まだ採掘されていない分が多く残っている。
ミャンマーの主要な河川は4本あり、全土の総発電電力量10万メガワットをも達成しうる300ほどの水力発電計画が立案可能である。現在、電力供給している計画は60強ある。費用を抑えられる再生可能エネルギーのひとつである。
ミャンマーは温帯に位置し、乾燥地帯も多くあって、雨季の5ヶ月を除いて太陽の光を存分に受けられるため、再生可能エネルギーの一つである太陽光発電も利用できる。
石油と天然ガスの宝庫
ミャンマーの石油埋蔵量は5000万から2億バレル以上、天然ガス埋蔵量は10兆立法フィートに達すると国際的に推測されている。
ミャンマーで見つかっている天然ガスの量は世界でもトップクラスであるが、現在の採掘量のままでいくと、今後30年もたたないうちに、見つかっている天然ガスは尽きてしまう。
ミャンマーはタイに対し、ヤダナー天然ガス鉱区とイェーダグン天然ガス鉱区から30年契約で年に3000億立法フィート強の天然ガスを輸出している。ガスの輸出はそれぞれ1998年と2000年に始まった。
韓国企業の大宇(Daewoo International)がヤカイン沿岸でシュエ天然ガス田を発見し、2008年にはシュエ鉱区から天然ガス6兆5000億立法フィートを中国に20年契約で売る協定が結ばれた。天然ガス・パイプラインを通じて1日に24億立法フィートを中国へ輸出している一方、国内向けは6000万立法フィート、割合にして2.5%に過ぎない。
ミャンマーにはヤダナー、イェーダグン、ゾーティカ、そしてシュエの4つの天然ガス鉱区があり、うちヤダナー、イェーダグン、ゾーティカ鉱区から1日に15億立方フィートの天然ガスを輸出しており、毎年の天然ガスの生産量は3500億立法フィートある。
しかし、天然ガスをエネルギーとして有効に使用するためには技術が必要である。
天然ガスを運送業分野において役立てるには、圧縮天然ガス(CNG)に変換せねばならず、そのために高い技術が必要になる。
「ここでは、タイのようにガスを圧縮できる態勢が整っていない。つまり、タイから逆輸入して使わなければいけない。ここで作っている圧縮天然ガス(CNG)よりタイのものの方がだいぶ優れている」とエネルギー省の高級技官が語った。
毎年の石油生産量も600万バレル強あり、2012-2013年度には619万7000バレル、2013-2014年度には611万8000バレル、今年度6月までで156万6000バレルであることを中央統計局が明らかにしている。
現状、石油と天然ガスはミャンマーの最大の投資分野であり、国家の最大の収入源となっている。
しかし、ミャンマー国内で使用するための電気やその他のエネルギーは足りていない。【次ページにつづく】