社会

完全無人図書館、秦野市で全国初の実証実験スタート

 秦野市本町公民館(同市入船町)の図書室で、入退室から貸し出し・返却に至る全工程を完全機械化した無人貸し出しサービス「スマートライブラリー」の実証実験が1日、始まった。図書館の総合支援を行う図書館流通センター(東京都文京区)との共同事業で、期間は約2年間。夜間の無人図書館は国内でも数例あるが、昼間の完全無人化は全国初の試みという。この日、館内で開始式が開かれた。

 図書室に新たに設置されたのは、入退室ゲートと貸し出し・返却の機械。既存の図書館カードにバーコードを付加すれば入室でき、ICチップを埋め込んだ蔵書を機械に読み取らせ、セルフサービスで手続きを行う。図書室内は完全に無人となるが、事務室につながるインターホンが設置され、操作方法などを聞けるようになっている。

 実験は市が進める公共施設再配置計画の一環で、省力化による人件費、維持費の抑制とともに、立地や利用形態にあった図書館の機能分化と高効率化を図っていこうという試みだ。

 図書館経営が専門で実験のアドバイザーを務める東洋大学の南学客員教授は「自治体の財政難で図書館の予算が減る中、単純な貸し出しは無人化し、一方で研究調査や地域史収集などに人員を割き機能分化が進めば、より効果的な運営が可能になる」と説明する。

 同公民館はイオン秦野ショッピングセンターと隣接し、市内の公民館図書室では最も利用率が高く、約6500冊を所蔵する。1年後をめどにアンケートや利用実績・傾向をまとめ、蔵書のラインアップなどにも反映していく予定という。

 設備投資にかかった費用は図書館振興財団の助成金1千万円を活用し、残りの1500万円は図書館流通センターが負担した。同センターの谷一文子会長は「大いに活用して教養を深めてもらい、地域振興に生かしてほしい。全国のお手本になるはずだと思っている」と期待していた。

【神奈川新聞】