【ワシントン=矢沢俊樹】オバマ米大統領は2日、2016米会計年度(15年10月~16年9月)の予算編成方針となる予算教書を連邦議会に提出する。焦点の税制改革を巡る提案では、連邦法人税の実効税率を現行の35%から原則28%に引き下げる。米企業が海外に留保する利益に原則19%の税率で課税する案を盛り込み、米国内への資金環流を促す。
富裕層向けの資産増税などと併せ、インフラ投資の財源を確保する狙いがある。
16年度の予算案は税収などの歳入が3兆5250億ドル(約412兆円)に対し、歳出が3兆9990億ドル(468兆円)。財政赤字額は米国内総生産(GDP)対比で15年度の3.25から2.5%に低下する。
予算教書の提案は格差是正と中間層支援を手厚くする一方で、米大企業による租税回避の動きにくさびを打ち込み、新たな税源を確保することに主眼を置く。連邦法人税率は28%を目指すが、国内製造業の税率をさらに3ポイント低い25%と優遇する。
米国内の高い法人税を回避するため大企業が国外に蓄積する利益に対しては、ただちに19%の最低課税を実施。海外ですでに一定の税率で課税済みの利益にはこの最低税率を適用しない。海外利益を米国内に戻す際は基本的に14%と低めの税率を適用し、企業が海外にため込むよりも、資金を米投資に振り向けたほうが得策だと判断するように誘導する。
ただ、議会上下両院多数派を占める野党・共和党は法人、富裕層向けともに大幅な増税案に反発するのは確実とみられ、オバマ氏の提案通りに税制改革が実現する可能性は低い。
オバマ、投資