ドラマ違法アップ:記憶喪失の男「捜査されたかった」

毎日新聞 2015年01月27日 19時04分(最終更新 01月27日 20時15分)

 録画したテレビドラマを動画サイトに違法アップロードし、サイトから得た収入を隠して生活保護を受けたとして著作権法違反や詐欺の罪に問われている記憶喪失の男(身元不明)の公判が26日、前橋地裁(川崎学裁判官)であった。男は被告人質問で「違法な動画投稿をすれば、警察に捜査され指紋などから素性を調べてもらえると思った」と動機を明かした。検察は懲役2年と罰金30万円を求刑し、結審した。

 男は2008年3月、静岡県熱海市の国道で、記憶喪失状態で倒れているところを保護され、仮の氏名「鈴木太郎」と生年月日で生活保護を受けていた。

 起訴状などによると、男は13年6月〜14年3月ごろ、静岡県沼津市内の自宅でテレビドラマ9作品を動画サイトに投稿し、サイトから得た会員登録の還元費や広告収入を申告しない一方で、生活保護を受けたとしている。

 違法な動画投稿で得た収入は、主にスキューバダイビングのインストラクターの資格取得に充てたといい、「保護された時にダイビング用の時計を持っていたので、自分の素性を思い出すきっかけになればと思った」と説明した。

 男は現在、戸籍を作り直す「就籍届」の提出を準備中。弁護側は「更生は十分可能」と主張し、執行猶予付きの判決を求めた。【尾崎修二】

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