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2014-11-17 知られざる驚愕の真相!映画『ターミネーター』制作裏話 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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本日午後のロードショーターミネーターが放映されます。『ターミネーター』といえば、もはや説明の必要がないほど有名な映画ですが、公開当時はほぼ無名監督が撮った低予算映画ということで注目度は皆無でした。そんな『ターミネーター』は、どのような経緯で生み出されたのか?というわけで、映画制作にまつわるマル秘エピソードや裏話的なトリビアなどを書き連ねてみたいと思います


悪夢から生まれた『ターミネーター

1981年ジェームズ・キャメロンは初監督作品殺人フライングキラー』を撮るためにジャマイカへやって来た。しかし、製作費は驚くほど少なく、スタッフスケジュールも常にギリギリ役者衣装代も出ないほどの低予算で、俳優に自前の服を持ってこさせるなど、現場の状況は最悪だったそうだ。特殊効果担当者が作ったピラニア模型があまりにも酷い出来栄えだったため、しかたなくキャメロン徹夜で作り直すこともあったらしい(ひどい話だなあw)。

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そんな悲惨環境にもかかわらず、懸命に撮影を続けたキャメロン監督。ところが、イタリア映画会社撮影が終わった途端にフィルムを全部引き上げ、「もう用は無い」とばかりにキャメロン解雇したのである激怒したキャメロンは自腹でローマまで渡航し、「俺に映画を作らせろ!」と直談判。しかし、要望は聞き入れられず、会社を追い出されてしまった。この時、ほぼ無一文状態のキャメロンは、ローマ宿泊施設徘徊しながら、ルーサービスのトレイを漁って食べ残しを探すなど、限界まで追い詰められていたらしい。

しかも、空腹に追い打ちをかけるように悪性の流感に感染し、数日間にわたって高熱に苦しみ続けたのであるさら鬱病まで発症して精神的にも肉体的にもボロボロに…。だが、病気で生死の境を彷徨っている間、キャメロンは恐ろしい幻覚からインスピレーションを受け取っていた。それは、金属製の骸骨が包丁を使って床を這っている強烈な悪夢。この悪夢こそが、後のターミネーターイメージへ繋がるきっかけになったのだ。


●サラ・コナーモデル自分の嫁

失意のどん底からロサンゼルスに戻ってきたキャメロンは、さっそく『ターミネーター』の脚本を書き始める。主人公サラの職業は、自分の昔の奥さんがやっていた仕事と同じウエイトレスにした(サラ・コナーは「ボブのビッグバンズ」というレストランで働いているが、キャメロンの奥さんは「ボブのビッグボーイ」というレストランで働いていたらしい)。


●『ターミネーター』の脚本を1ドルで売却

ターミネーター』の制作にあたり、キャメロンは以前勤めていた会社ニュー・ワールド・ピクチャーズ)の元同僚ゲイル・アン・ハードとタッグを組んだ。脚本が完成すると、キャメロンは「必ず自分監督する」という条件付きでハードにそれをたったの1ドルで売り渡し、彼女は『ターミネーター』をハリウッドの全ての映画会社に提案して回った(後にキャメロン結婚する)。

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伝説プレゼン

多くの映画会社無視されたものの、やがて一つの会社が『ターミネーター』に興味を示す。ヘムデール・ピクチャーズのジョン・ダリーが「もっとこの映画について話を聞きたい」と考え、キャメロンアプローチしてきたのだ。そこでキャメロンは、最もインパクトのある方法で売り込もうと計画を立てる。

まず、当初ターミネーター役に内定していたランス・ヘンリクセンに頼み、革のジャケットに革のブーツ、顔には特殊メイクで傷をつけ、ターミネーターそっくりの姿になってもらう。彼はその格好のままヘムデール社に出向き、事務所のドアを蹴り開け、驚く事務員無視してジョン・ダリーの部屋へ入り、無言のまま見つめ続けた。

そしてジョン・ダリーが恐怖で固まっている間にキャメロンが登場し、「どうですか!」と言わんばかりの勢いで『ターミネーター』の説明を始めたのである。この大胆なプレゼンに感心したジョン・ダリーは、すぐにヘムデールの資金映画支援しようと決心したそうだ(初期のターミネーターイメージデザイン↓)。

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●アーノルド・シュワルツェネッガー登場

ターミネーター役はランス・ヘンリクセンにほぼ決まっていたが、映画会社ターミネーター役にO.J.シンプソンを薦めてきた。キャメロンは不満だったものの、この時カイルリース役の候補に挙がったアーノルド・シュワルツェネッガーに興味を示す。

初めてシュワルツェネッガーと出会った瞬間、キャメロンは全く新しいイメージを閃いた。当初、キャメロンターミネーターを「人ごみの中に紛れても目立たないような男」としてイメージしていたが、シュワを見た途端に映画様相が完全に変わってしまったのだ。この男がターミネーターを演じれば、きっと凄い映画になるに違いない!と。しかし「君がターミネーターをやるべきだ!」と言われたシュワは「いや、俺は別の役をもらいに来たんだけど…」と驚いていたらしい。


ランス・ヘンリクセンはいい人だった

一方、役を外される形になったランス・ヘンリクセンはどう思ったのだろう?「映画を売り込むために協力までしたのに、話が違うじゃないか!」と激怒したのかと思いきや、いたって冷静に状況を受け入れていたらしい。以下、当時を振り返るコメントより。

ジムジェームズ・キャメロン愛称)にごまかされたと感じたことは、一瞬たりとも無かったね。僕はもうこの業界が長くて、時にはそうなることもあるって分かってるから。確かに自分ターミネーターを演じることができなかったのは残念だけど、それと同じくらいジムにはこの映画を作って欲しかったんだよ」


キャメロンはそんなヘンリクセンを賞賛すると同時に、これまで彼がやってくれたことに感謝の意を込めて、『ターミネーター』では刑事役、『エイリアン2』ではアンドロイドビショップ役など、映画の中で彼のために役を与えることを決めたそうだ。

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●酸をかけられたシュワルツェネッガー

1984年2月8日からターミネーター』の撮影は開始された。その直後からシュワルツェネッガーキャメロンの完全主義を思い知らされることになった。曰く「あの時のジェームズは凄かったよ。事前に、撮影するショットをとても細かく説明するんだ。その位置が1ミリずれただけで、物凄く凶暴になるんだよ!」とのこと。

やがてキャメロン撮影は日を追うごとに激しさを増し、ターミネーターが車のフロントガラスを叩き割るシーンで、ターミネーターの体から煙が出ている様子を再現する際、なんと酸をかけて煙を発生させたそうだ。しかし、いくら映画撮影からといっても役者の体に酸をかけるなど聞いたことがない。ちなみに制作側は「弱い酸だから大丈夫だ」と主張(そういう問題じゃないだろw)。一方、シュワルツェネッガーは「もっと別の方法はなかったのか」と今でも疑問に思っているらしい。


リンダ・ハミルトン骨折

そして大変な目に遭ったのはシュワルツェネッガーだけではなかった。『ターミネーター』の撮影が始まってすぐの頃、サラ・コナー演じるリンダ・ハミルトンは、アクシデントで足首を骨折してしまう。そこで、プロダクション側は走って逃げるシーンを後回しにして、怪我の状況が良くなるまで待つことにしようと提案。しかし、スケジュールに余裕が無かったため、キャメロン撮影を強行。このため、リンダは毎日テーピングして役を演じるハメになったらしい。


●本当は『I'll be back』と言いたくなかった

ターミネーター』と言えば、警察署にやってきたシュワルツェネッガーが『I'll be back』(また戻ってくる)と言い残して去っていくシーンが有名だが、撮影現場ではこのセリフをめぐってキャメロン監督と大いに揉めていたらしい。以下、シュワルツェネッガーの自叙伝『トータル・リコール:マイ・アンビリーブリー・トゥルーライフストーリー』より。

「僕とジェームズが一番意見が合わなかったのは、『I'll be back』のセリフについてなんだ。僕としては『I will be back』の方がいいと思ったんだよ。縮めない方がよりマシーンっぽいし、怖い感じも出るしね。それに『I'll』って言うのはちょっと女っぽいと思ったんだ。だからジェームズに、何度も繰り返し文句を言ったんだ。でも彼は『いや、I'll be backでいこう』って譲らないんだよ。僕としてはそれを言う心の準備はできていなかったから、その後ずっとお互いに綱引き状態だったね。」


「そしたらとうとうジェームズが『いいかい?ただ僕を信用しろよ。君には演技指導しないから、君も僕の脚本ケチをつけないでくれ!』って大声で叫んできたんだよ。実際に僕の英語アクセントで発してみると、やっぱり変だったんだ。でもジェームズは『僕は全然気にしないよ。10通りの言い方で試してみて、その内一つは上手くいくから』って感じさ。まあ、2人でこんなモメ方をしてたんだよ(笑)


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●爆破シーンは大失敗

映画クライマックスで、ターミネーターの運転する巨大タンクローリーが大爆発する。このシーンは予算の都合で本物が使えず、ミニチュアを爆破することになったのだが、6分の1スケールトラック全長2.4メートル)、倉庫、背景の建物道路、そして周囲にある自動車など、全てミニチュアで再現しなくてはならなかった。

結局、撮影所の駐車場模型小道具をセットするのに丸3カ月もかけて、ようやく準備が完了しかし、本番ではまさかの大失敗!巨大なミニチュアトラックを動かすには、フレーム外に固定したモーター駆動装置を使い、ケーブルで引っ張る仕様になっていた。ところが、タンク部分に取り付けた火薬が重すぎて、運転台とタンクを連結する繋ぎが外れてしまい、爆破だけは起きたのだが前輪がトラックの前に飛び出してしまったのだ。

当然、再撮影のためには再びトラックを元通り修理して、セットを作り直さなければならない。しかも、元々3カ月かかって準備したものを、今度は1週間以内でやらなければならないのだ。スタッフたちは大パニックしかし彼らは驚異的な集中力を発揮し、不眠不休で作業を続けた結果、なんとたったの3日間で完全復元を成し遂げたのである。こうして2回目の爆破に挑戦、見事に成功を収めたのだった。素晴らしい!

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