訃報:陳舜臣さん90歳=作家「阿片戦争」「中国の歴史」
毎日新聞 2015年01月21日 13時09分(最終更新 01月21日 15時31分)
中国歴史小説の第一人者で「阿片(あへん)戦争」「中国の歴史」など、歴史の波に浮き沈みする多彩な人間模様を大陸的感性で描き続けた作家の陳舜臣(ちん・しゅんしん)さんが21日、老衰のため死去した。90歳。葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れ会を開く予定。
1924年2月、神戸市生まれ。43年、大阪外国語学校(現・大阪大)卒。
61年、「枯草(かれくさ)の根」が江戸川乱歩賞を受賞し、推理小説家としてデビュー。69年に「青玉獅子香炉(せいぎょくししこうろ)」で直木賞、71年に「実録アヘン戦争」で毎日出版文化賞を受賞。
日中国交回復後の72年からは毎年のように取材を兼ねて中国を旅行。過去を見る確かな目と広く深い教養に支えられ、随筆、紀行文、漢詩へと作域を広げた。「小説十八史略(じゅうはっしりゃく)」「太平天国」「琉球の風」(93年のNHK大河ドラマ)など、リアリティーに裏打ちされた作品は多くのファンを魅了した。
毎日国際交流賞の選考委員も務めた。本籍は台湾だったが、90年に日本国籍を取得。97年12月から98年10月まで毎日新聞のリレーエッセー「時代の風」欄を担当。さらに、99年1月から同12月まで本紙に連載小説「天球は翔(か)ける」を執筆した。
94年8月、脳内出血で倒れ、95年1月の阪神大震災で被災した。2008年1月、再び脳内出血に襲われた。神戸市内の介護施設に入所していたが、14年10月上旬、肺炎を患い、市内の病院に入院していた。