芳垣文子、佐藤恵子
2015年1月14日09時46分
17、18両日に大学入試センター試験がある。学習指導要領の改訂で、学習範囲が広い新課程で学んだ「脱ゆとり世代」が初めて受験する。新旧両課程で学んだ生徒が受験する今回は、問題の配布ミスを防ぐために、選択パターンごとに会場を分ける。だが、受験生にとっては、試験会場を間違えるリスクもある。
「試験会場を間違えないよう、折に触れて確認させています」
3年生約120人のほぼ全員がセンター試験を受験する私立宝仙学園高校(東京都)共学部の伊藤大輔教諭は、そう心配する。昨年までは試験会場が全員同じ1カ所だったが、今年は7カ所に分散するからだ。
理科の問題は新課程と旧課程があり、「地理歴史・公民」から選択する科目との組み合わせによって、今回のセンター試験では計八つの受験パターンができる。これまで、同じ高校の生徒は同じ試験会場になるよう配慮されてきたが、今回は受験パターンごとに試験会場が振り分けられる場合がある。
■「受験生にリスク」
試験を実施する大学入試センターによると、こうした措置は、問題冊子の配布ミスや試験会場での受験生の入れ替えで起こる混乱を防ぐためだという。2012年の地歴公民の試験では、2科目受験を選択した受験生に1科目分しか問題冊子が配布されないミスが相次いだ。受験パターンが異なる受験生を同じ教室にまとめたので、問題冊子の配り分けがうまくできなかった。
同じ教室に同じ受験パターンの受験生を集めれば、こうしたミスは防げる。一方で、受験生の方が試験会場を間違えると、受験は認められない。受験票に会場名が書かれているが、大手予備校の担当者は「配布ミスのリスクを受験生側に転嫁している」と指摘する。
宝仙学園高3年の松永那瑠(なる)君(18)は、会場となる東京農工大は事前に下見に行った。センター試験では理科は物理と化学、地歴公民は現代社会を選択する。「理科は昨年より出題範囲が増えたので、対応する参考書を買って特に力を入れて勉強しました」と話す。
■当日は余裕持って
また、会場となる大学が少ない県では、一つの会場内で複数の受験パターンの教室を用意する大学もある。約1100人が受験予定のいわき明星大(福島県いわき市)では、8パターンの教室を用意。昨年から今年にかけ、全教職員向けの全体説明会を4回開催する。担当者は「これまでの固定概念を消して。以前のやり方が頭にあると、重大なミスにつながりうる」と呼びかける。試験監督や誘導などの係ごとに行う打ち合わせも、「例年の倍くらいやった」。
大手予備校・河合塾教育情報部の近藤治部長は「試験会場と思って大学に行ったら別のキャンパスだった、という間違いは起こり得る。試験当日は余裕を持って試験会場に行くことが大切だ」と話す。(芳垣文子、佐藤恵子)
◇
〈今回の試験の特徴〉 理科と数学が新しい学習指導要領に基づいた新課程に沿って出題されるが、今回に限って経過措置として、旧課程に沿った問題も用意される。現役生は新課程しか受けられないが、浪人生は新旧両課程どちらでも受験できる。主に理系の生徒が受験する「理科(物理、化学、生物、地学)」では、新課程と旧課程で問題冊子が別々になる。新旧のどちらを受験するかで、まず大きく2グループに分類。さらに、理科と地歴公民の科目の組み合わせによって、それぞれ4種類に分けられ、合計八つの受験パターンができる。この受験パターンに合わせて、試験をする会場や教室を分けた。
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!