2015年が明けましたが、皆様いかがおすごしでしょうか? ようやくお正月気分が抜けてきた頃合いだと思いますが、今年のお正月はおせちを食べましたか?
昨今ではおせちも洋風のものであったり、様々なバリエーションがありますが、これぞお正月という気分を感じさせてくれるメニューの一つが、筑前煮ですよね。
そこで今回は、実家の味を思い出せる、味がしっかりと染みたお母さんの筑前煮を作るための科学をお伝えしてみたいと思います。
お母さんの筑前煮
材料 2人分
- 鶏もも肉………1/3枚(70g)
- にんじん………1/4本
- ごぼう…………1/4本
- れんこん………1/4個
- こんにゃく……1/4枚
- 干し椎茸………1枚
- 里いも…………1個(冷凍で小さめの場合は2個)
- 絹さや…………2枚
- ごま油…………小さじ1/3
- A(以下)
- 水………………100cc
- みりん…………大さじ1
- 醤油……………大さじ1
- 砂糖……………小さじ1/2
- 椎茸の戻し汁…50cc
作り方
①干し椎茸はさっと洗って50ccの水につけ、2時間くらい置いたら一口サイズに切ります。ごぼうは包丁の先で皮をこそぎ落とし、一口サイズに切って酢水につけます。里芋、れんこん、にんじんは皮をむいて一口サイズに。鶏もも肉も一口サイズに切ります。※干し椎茸をつけた水は戻し汁として使用します。
こんにゃくはフォークで穴をあけて一口サイズに切り、さっと茹でてアクをぬきます。
科学1:こんにゃくはフォークで穴を開けて組織を壊すことで味がしみ込みやすくなります。
②鍋に鶏もも肉と絹さや以外の材料とAを入れ、落とし蓋をして強火にかけ、煮たったら鶏もも肉を加えます。
科学2:落とし蓋をしよう!
落し蓋をすることにより、沸騰した煮汁が跳ね返り、鍋の中で対流が生まれます。そのため、すべての材料に煮汁が行き渡るのです。ただ、煮ることによって味がついていくと同時に、材料にぎっしりと詰まっていた表面の細胞壁が壊れ、食材の水分も流れ出していきます。
弱火にして約10分〜15分煮汁が半分くらいになるまで煮たら火を止め、2〜3時間置きます。
科学3:冷めていくときに味がしみる!
食材から出た水分は40度〜50度まで冷めてくると、出ていった水分が戻ってきます。そこで食材と調味液との間で浸透圧による水分移動が行われるので、その時に味がしみ込んでいくのです。つまり時間の経過が必要となり、一度置いて冷めていくことで味が食材に拡散し、しっかりとしみ込むと言われています。
⑤鍋を中火にかけ、絹さやを加えて鍋を傾けてお玉で煮汁をかけながら3分程度煮詰めます。最後にごま油を回し入れてさっと混ぜたら完成です。
では、筑前煮を作る際に押さえておきたい科学のポイントをまとめます。
- 科学1:こんにゃくはフォークで穴を開けよう!
- 科学2:落とし蓋をしよう!
- 科学3:冷ますことが大事!
煮汁が全部なくなるまで一気に煮るのではなく、一旦寝かせることで、そこで味がしみこむというのがポイントです。出来上がってからもすぐに食べずに置いておくと、さらに味がしみ込んで美味しくなります。
お母さんの筑前煮を自分で作って食べてみる。母の味を思い出したら泣けてくるかも……たまには実家に帰り、元気な笑顔を見せてくださいね。