インフルエンザ集団感染で2人死亡1月10日 18時19分
広島県竹原市の病院と群馬県高崎市の障害者施設で、インフルエンザの集団感染が起き、それぞれ患者と入所者1人が死亡しました。
広島県によりますと、広島県竹原市の安田病院では先月26日に男性の入院患者が病院の検査でインフルエンザに感染したことが分かり、その後も入院患者や職員が相次いで高熱などの症状を訴えました。
10日までに入院患者66人と職員27人の合わせて93人がインフルエンザに感染したことが分かり、このうち入院患者の81歳の女性が9日、インフルエンザが原因の肺炎で死亡したということです。
病院によりますと、インフルエンザのピークは過ぎて、10日の時点で入院患者と職員30人に症状が見られますが、いずれも命に別状はないということです。
病院では、先月29日以降入院患者への面会を禁止したり、感染拡大を防ぐため薬の予防投与をしたりしていたということです。
保健所は今月7日に病院に立ち入り調査を行いましたが、死者が出たことを受けて、保健所は10日、改めて調査に入り感染経路の特定などを進めています。
安田病院の杉原基弘病院長は「このようなことは今まで経験がなく、亡くなった患者さんには申し訳なく思っている」と話していました。
一方、群馬県高崎市足門町の障害者支援施設「大地」によりますと、今月3日から10日までの間に、20代から70代までの入所者14人と職員2人の合わせて16人が、発熱やのどの痛みなどを訴え、いずれもインフルエンザと診断されました。
このうち、入所者の65歳の女性については、施設の個室で医師の往診を受けていましたが、9日午後、インフルエンザに伴う肺炎のため心肺停止の状態となり、その後、病院で死亡が確認されたということです。
死亡した女性を除く15人については、重い症状の人はいないということです。
この施設では、去年11月にすべての入所者と職員がインフルエンザの予防接種を受けていたということです。
高崎市保健所は10日、施設の調査に入り、感染の拡大を防止するよう指導するとともに、感染経路の特定を進めています。
この施設の横山俊郎施設長は、「亡くなられた方や、ご家族には大変申し訳なく思う。感染が広がらないよう対策を徹底したい」と話していました。