2015年、史上4度目となる産業革命が幕を開けた。ドイツが先陣を切り、それをインドと米国が追う展開。一方、モノ作り大国を自認する日本はスタート地点で足踏みしたままだ。日経ビジネスは1月5日号で「日本を脅かす 第4次産業革命」と題する特集を掲載した。その連動記事の第1回は、日立製作所の東原敏昭社長のインタビューを掲載する。
世界で革命を主導するのは、米ゼネラル・エレクトリックや独シーメンスなどの重電大手。産業機器とITを組み合わせることで、新たなビジネスを創出する。制御とITを強みとする日立がどう対抗するのか、戦略を聞いた。
(聞き手は小笠原 啓)
モノ作りの革命が、世界で同時に発生しています。その原動力の1つが、モノのインターネットを意味する「IoT(Internet of Things)」です。日本企業にどのようなインパクトがあるのでしょうか。
東原:日立グループでは既に、日立建機がダンプトラックにセンサーを装着し稼働状況を診断しています。英国の鉄道事業でも(鉄道車両の運行)データをクラウドで分析し、予兆診断サービスを提供しています。機器のライフサイクルを管理し、稼働率を高めるサービスでIoTは有効に活用できます。
次にやりたいのが最適化です。例えば鉱山で、10台のダンプトラックの運行計画を作るとしましょう。1台ごとのエネルギー消費や、タイヤの消耗具合などが分かれば、運行スケジュールなどを最適化できます。ここに大きな成長のチャンスがあります。
製品を作って納めた後、運用を含めてサービスをどう最適化するか。この視点を持たないメーカーは単なる部品の提供者になってしまい、価格以外では差別化できなくなります。
ゼロから構築ではムダが多い
モノ作りだけにこだわっていては、第4次産業革命で「おいしいところ」を持って行くのは、GEなど欧米企業になりかねませんね。
東原:彼らがどこまでできるのか、よく見極める必要があります。ただ日立は、ソリューションの提供では負けられません。顧客のイノベーションのパートナーになり勝っていきたい。そこで重要になるのが「プラットフォーム」の統一です。
今後、製造業だけでなくエネルギーや交通、水道などの事業者もIoTの取り組みを進めるようになります。省エネという観点で、電力と交通の事業者で協力するケースも出てくるでしょう。
その際に、ゼロからシステムを構築するのはムダが多い。そこで、各業界や企業がIoT化を進める際の基盤となる、プラットフォームを日立が提供したいと考えています。
どのようにしてプラットフォームを構築していくのでしょうか。