アサッテ君:40年「よくやってきた」最終回に東海林さん

毎日新聞 2014年12月30日 21時36分(最終更新 12月30日 23時21分)

すべての漫画は、気になるネタをかき留めたアイデア帳から生まれる。最新版は653冊目。その一部を積み上げた山の間に座る漫画家の東海林さだおさん=東京都杉並区の仕事場で、小関勉撮影
すべての漫画は、気になるネタをかき留めたアイデア帳から生まれる。最新版は653冊目。その一部を積み上げた山の間に座る漫画家の東海林さだおさん=東京都杉並区の仕事場で、小関勉撮影

 一般全国紙の連載漫画で最長不倒となる1万3749回を数えた今回(12月31日付朝刊掲載分)で、東海林さだおさん(77)の「アサッテ君」がフィナーレを迎えた。東海林さんは40年余り続けた連載を「よくやってきたな」と今改めて振り返る。

 毎日新聞の他に週刊誌3誌、月刊誌1誌に連載を持ち、飛び込みの仕事を入れて月に約50本の締め切りを抱える。1日のスケジュールは5分刻みで考える生活だったという。

 朝少し口に入れるだけで、「昼食をとる時間もなく、食べようという気にもなれず40年やってきました」と明かす。それだけストレスがかかっていたわけだ。夕方6時に仕事を終え、ようやく食事を兼ねた晩酌が始まる。

 「この生活はいずれ破綻するなと、ずーっと思っていたけど、もってしまいました」と笑う。連載中、病気で休載したことはない。「何十年も風邪一つひいていません」

 「本当に身動きがとれなかった。来年からやっと人間らしい生活になるのかな……。とにかく年が明けてみないと、どういう生活になるのか想像もつきませんね」。とは言うものの、実は“仕事人間”の東海林さん。「前からやりたいことがあって時間的に無理だと思っていたんですが、2年計画で手をつけ始めました。年が年なので間に合うかどうか」

 2年ほど前に腰を痛め遠ざかっていた趣味の野球も「来年はやれそう」と顔をほころばせる。ポジションも今まではショートだったが「セカンドあたりで。草野球ではセカンドかライトが重要でないポジションで……」とボソボソ。あくまでも東海林節は健在だ。【内藤麻里子】

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