未来の農業を見据えるという意思表示。ヤンマー新社屋、落成
次の100年を担うテクノロジー、生み出していきます。
Oculus Riftでコントロールする次世代ロボットショベルカーでもお伝えしましたが、大阪・梅田駅前にヤンマー フライング Y ビルディングができました。
上層階にヤンマーの本社機能を、下層階にはユニクロやGU、クリニックが入る新たなランドマーク。12階に備わる社員食堂プレミアム マルシェ カフェは、日本中のこだわりをもって作られた旬の食材を使った一汁三菜メニューなどを用意。「生産者がヒーローになる」べく、消費者と生産者を直接つなぐ場としてオープンしたこの社員食堂は一般公開も視野に入れているそうです。
CO2排出ゼロの実現を目指した新社屋ビル
もともとヤンマーは農家の方々を技術の力で楽にしてあげたいという創業者の理念から生まれた会社でした。そのDNAを受け継ぎ、さらに農業を取り巻く世界を資源循環型社会になるような取り組みを目指すとのこと。
というのも現在の農業はエネルギー消費産業なんですって。確かにクリーンなディーゼル技術が進んだとしても、石油を消費することには違いないですよね。
食糧供給と環境問題。食とエネルギーは切っても切り離せない。だからこそ新たなチャレンジとして、まずはヤンマー フライング Y ビルディングのCO2排出量を0にすることを目指すそうです。
そして、持続可能な資源循環型社会を目指すためにヤンマー独自のテクノロジーを一点集中化。さらに食料や環境問題を専門とする各研究機関とのコラボレーションを促進し、ともに問題解決を図っていく取り組みも発表されました。ここから生まれるソリューションがどのようなものになるか、面白そうな気配は濃厚です。
公開された量産型ヤンマートラクターYTシリーズ
実際に販売される奥山清行さんがデザインした次世代トラクターYTシリーズも公開されました。2013年7月に公開されたコンセプトモデルに、かなり近しいデザインではないでしょうか。
(実際の農作業には鉄チンがベストですが)ホイール変えたらインパクトありそう。
人間工学を取り入れ、操作性を重視したコックピット。
上位モデルには振動を吸収するエアサスシートが備わります。
エアコン、オーディオ、カップホルダーといった快適装備も。これデート用に使えるんじゃないですかね。一人乗りですけど。
なおGPS機能を使った随伴機能を持つロボットトラクターでもあります。一人で2台のYTシリーズをコントロールできるわけで、より広大な面積をカバーできます。
質実剛健な働く自動車も好きです。皆さんもお好きですよね。
でも「こういう機械使いたいな」と思わせるプロダクトデザインって大事ですよね。
もう1台、多用途四輪車のYU01もご紹介しましょう。資材運搬用などに使う、いわゆる軽トラックの立ち位置を持つモデルです。
これがまた奥山デザインで麗しい。躍動感あふれています。
利便性ももちろん確保。働く自動車界の近未来がここにあります。
これだけのモノを作っておきながら、彼ら曰く「ヤンマーは機械屋ではない」というのですからカッコいい。あくまで、さまざまな人の夢を実現し、社会課題を解決するためのテクノロジーを提供していく企業だと言うのです。
単にデザインがいいだけではダメだということ。実をともなっていなくてはいけないということ。農の生産現場を見続けてきたヤンマーは知っているんですね。
source:ヤンマー
(武者良太)
- トミカ №066 ヤンマー コンバイン AJ218 (箱)
- タカラトミー
- 現代農業 2014年 12月号 [雑誌]
- 農山漁村文化協会