人名漢字:「巫女」ちゃんも命名可能 法務省、追加決める
毎日新聞 2014年11月26日 20時34分(最終更新 11月26日 21時38分)
法務省は、人名に使用できる漢字として新たに巫女(みこ)の「巫」の字を追加することを決めた。子の名前に「巫」の字を使って出生届を受理されなかった夫婦が起こした家事審判で、申し立てを認める判断が確定したため。同省は人名用漢字を定めている戸籍法施行規則を近く改正する。
法務省民事局によると、家事審判を起こしたのは三重県松阪市の夫婦。津家裁松阪支部は今年3月、「明らかに常用平易な文字だ」として夫婦の申し立てを認め、名古屋高裁も支持して確定した。
戸籍法は「子の名前には常用平易な文字を用いなければならない」と規定しており、使える漢字は常用漢字(現在2136字)と人名用漢字(同861字)に限定されている。
最高裁は2003年12月、当時使用が認められていなかった「曽」の字を巡る審判で、「裁判所は社会通念上明らかに常用平易な文字と認められるときには、市町村長に出生届の受理を命じることができる」として、常用漢字と人名用漢字以外の使用を初めて認めた。翌04年9月には、人名用漢字に488字を追加するなどの大規模な規則改正も行われた。
司法判断がきっかけとなった人名用漢字の追加は、09年4月の「祷」「穹」以来。【和田武士】