伊藤壇、アシックスの顔!17の国と地域でプレーするプロサッカー選手
アジアを中心に17の国と地域でプレーする札幌出身のプロサッカー選手、伊藤壇(39)がこのほど、アシックスジャパンのイメージキャラクターに選ばれた。J2札幌MF小野伸二(35)ら日本や欧州で活躍する選手のみを起用してきた同社だが、世界をまたにかける伊藤の個性的な生き様に着目し、初の抜てきを決めた。新たな発奮材料を得た伊藤は、40歳になる来年の現役続行へ向け26日、札幌をたった。
日本を離れて13年。伊藤の独自の歩みが、新たな道を開いた。アシックスジャパンが来年1月に本格的に立ち上げる新シリーズ「TRI―F リミテッド」のイメージキャラクターに起用され、新たな広告塔に。伊藤は「人がやってないことをやってきたことが評価されて。キャラクターなんて想像もしてなかったけど、自分を信じてきて良かった」とほほ笑んだ。
他に例のない生き様が決め手となった。同社のマーケティング統括部は、抜てき理由を「プロと言っても違う生き方がある。彼の面白さを発信することで注目してもらえたら」と説明した。代理人は置かず、ツテもない国で自ら移籍先を探しながらプロ生活を続け、これまで17か国・地域でプレー。元日本代表の小野や現代表のMF乾貴士(26)=フランクフルト=らに限られてきた同社のキャラクターに新風を吹かせるべく、「アジアの渡り鳥」に白羽の矢が立った。
40歳になる来季の現役続行へ、大きな励みとする。「諦めずにやればいろんな道が開ける。直球じゃなくても勝負に勝てばいい。今後も変化球を投げ続けたい」。26日に札幌を出発。同社との撮影などに臨んだ後、29日にタイ・バンコクへ入る。アジアでのプレーを目指す人のために12月から「チャレンジャス・アジア」を初開催。ともに練習しながら地元クラブなどと実戦を重ね、各国へ参加者を売り込む。同社も密着し、WEBで配信する予定だ。
来年1月からは自身の就職活動を本格化させ、18か所目の挑戦場所を選ぶ。「忙しくなりそうです」と漏らす伊藤だが、その表情は充実感に満ちていた。(砂田 秀人)
◆伊藤 壇(いとう・だん)1975年11月3日、札幌市生まれ。39歳。登別大谷高3年時で同校初の全国高校選手権に出場し、3試合で4得点を挙げ16強入りに貢献。仙台大を経て98年・JFLブランメル仙台(現J1仙台)入り。2年で戦力外となり一時帰郷するも、当時は例のなかったアジアでの挑戦を決め、01年から各国を渡り歩いてきた。ポジションはMF。174センチ、71キロ。