天才スピヴェットL'extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet/The Young and Prodigious T.S. Spivet/監督:ジャン=ピエール・ジュネ/2014年/フランス、カナダ
あの過去を、あの思い出を、乗り越えて。
ユナイテッド・シネマとしまえんスクリーン4、D-11で鑑賞。2D字幕です。
あらすじ:天才少年が旅に出ます。
10才の天才少年T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)は、スミソニアン学術協会から科学賞をもらったので、スピーチのためにひとりで旅をします。
※ネタバレはありません。映画の内容については、ほとんど触れていないです。
- おすすめ
ポイント - 映像はすごくキレイです。お話もいいと思います。悪いのはわたしです。
「ミックマック」を見たとき、自分の中でひとつ結論が出ていたんです。

スピヴェット少年が弟の死を乗り越えたように、わたしも「ロスト・チルドレン」の呪縛を乗り越えなくてはならない。のに、できなかった。きっと、もう出来ないんだと思う。だったらいっそ、それを受け入れて「ロスト・チルドレン」だけ延々見ていればいい。これはわたしの問題であって、映画の問題ではない。ジャン=ピエール・ジュネは悪くない。マルク・キャロも悪くない。ただ、わたしが悪いんです。本当にごめんなさい。
もういいの。だってきっと、ジャン=ピエール・ジュネとマルク・キャロがもしまた仲直りして一緒に映画作ったとしても、それは「ロスト・チルドレン」じゃないんだからね、「ロスト・チルドレン」が好きなら「ロスト・チルドレン」を見ているべきで、先に進もうとしている人たちの腕を、過去に向かって引っ張っていこうとしてはいけないんだよね。わたしがわるいんだ。「ミックマック」感想の繰り返しになりますが、ざっくり説明すると、わたしは「ロスト・チルドレン」がものすごく好きで、それに囚われすぎてしまい、ジャン=ピエール・ジュネがマルク・キャロと仲違いしてからの彼らの作品を受け入れられなくなってしまったんです。
だから「ミックマック」を見たとき、ああ、もういいや、ジャン=ピエール・ジュネはもう、いい、って思ったんです…けれども、それをすっぽり忘れて「天才スピヴェット」を見に行き、また同じことを思っている。
映画としてはね、よく出来ていると思うのです。映像がきれいだ、話もおもしろい、キャラクターもよい、スピーチのシーンすごくいい、そして相変わらずドミニク・ピノンが出ている。
満足じゃないか。なぜわたしはこれを見て満足できないんだ。見ているときは楽しいと思ったじゃないか。
でも、見終わったあとに残っている、胸につかえたような何かは、何なんだ。
スピヴェット少年が弟の死を乗り越えたように、わたしも「ロスト・チルドレン」の呪縛を乗り越えなくてはならない。のに、できなかった。きっと、もう出来ないんだと思う。だったらいっそ、それを受け入れて「ロスト・チルドレン」だけ延々見ていればいい。これはわたしの問題であって、映画の問題ではない。ジャン=ピエール・ジュネは悪くない。マルク・キャロも悪くない。ただ、わたしが悪いんです。本当にごめんなさい。
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