November 21, 2014
誰でも覚えがあるだろう。冷蔵庫に好物があったのに忘れかけていたのを思い出し、食べようとして取り出す。ところが、賞味期限を見ると数日前に切れている。
あなたならどうするだろうか。多くの人はいら立ちを込めたため息をつき、食品を捨てる。罪悪感はあるが、安全が優先だ。そして、次からはもっと賞味期限に注意して、無駄を出さないようにしようと自分に言い聞かせる。
「食品の種類や保存状態の良さ、あるいは悪さによるが」と話すのは、英国を拠点として食品廃棄問題に取り組む団体「Love Food Hate Waste」(「食を愛し廃棄をなくそう」の意)を率いるエマ・マーシュ(Emma Marsh)氏だ。マーシュ氏は英国の消費者について、「私たちが捨てている食品の半分以上は、問題なく食べられたかもしれない物だ」と話す・・・
あなたならどうするだろうか。多くの人はいら立ちを込めたため息をつき、食品を捨てる。罪悪感はあるが、安全が優先だ。そして、次からはもっと賞味期限に注意して、無駄を出さないようにしようと自分に言い聞かせる。
「食品の種類や保存状態の良さ、あるいは悪さによるが」と話すのは、英国を拠点として食品廃棄問題に取り組む団体「Love Food Hate Waste」(「食を愛し廃棄をなくそう」の意)を率いるエマ・マーシュ(Emma Marsh)氏だ。マーシュ氏は英国の消費者について、「私たちが捨てている食品の半分以上は、問題なく食べられたかもしれない物だ」と話す。
食品廃棄は世界的に深刻化している課題だ。国連食糧農業機関(FAO)によると、毎年13億トンの食品が無駄になっている。これは全世界で毎年生産される食品の3分の1にも相当し、金額にして7500億ドルを超える。世界では推定8億人が毎晩空腹を抱えながら寝床についている一方で大量の食品が捨てられているという倫理上の問題に加えて、経済面・環境面の指摘にもあ然とさせられる。世界中の農地のうち4分の1以上が、誰の口にも入らない食物の栽培に使われているのだ。
◆「期限」を正しく理解する
「食品を消費する流れの中で、廃棄を減らすためにできることはいくつもある。まずは適量を買うこと。そして適切に保存し、消費期限が迫る前に冷凍すること、食品の半端な部分や別の料理の余りをうまく活用する方法を考えることだ」とマーシュ氏。「こうした行動をきちんとしていれば、食品を捨てる必要はない」。
マーシュ氏によれば、まだ食べられる食品が捨てられる理由のうち、「消費期限」「賞味期限」といった異なる表現に対する単なる混同がかなりの割合を占めているという。「消費期限」(Use by)、「賞味期限」(best before)、「店頭陳列期限」(display until)はそれぞれ意味が違うが、多くの消費者にとっては目に入る日付の数字が全てだ。その日付を過ぎていればごみ箱行きになる。
「『賞味期限』はその食品の品質に関わる日付だ」とマーシュ氏は説明する。食品が最も新鮮でおいしい期間がいつまでかを表しており、スーパーマーケットの陳列棚に並ぶ食品の大部分は賞味期限だけの表示でもよい。「一般的には、『賞味期限』を過ぎても食べてよい。生卵は別として、見た目や匂い、味に違和感がない限りは問題ない」。
だが、こうしたアドバイスは食品業界にとっても消費者にとっても賛同し難いかもしれない。英国、ノッティンガム大学の経済学教授ウィン・モーガン(Wyn Morgan)氏は、現代は一世代前よりも「はるかにリスクを嫌う社会になっている」と話す。「小売店や食品メーカーは訴訟を避けたがるし、我々一般消費者もリステリア菌や大腸菌といった健康上の脅威について耳にすることが多い。食品が賞味期限を過ぎていれば、リスクを冒したりせず、何であれ捨てたいと考える」。
安全性とはっきり関係があるのはむしろ「消費期限」だ。肉、魚、鶏肉など、微生物の繁殖という点でとても傷みやすい食品に表示されている。マーシュ氏は、「消費期限は食品の見た目や匂いに関係なく、必ず守る必要がある」と促した。
「店頭陳列期限」もパッケージに書かれていることがあるが、主にスーパーマーケットが在庫管理を効率よく行うために使っているもので、消費者にとっては重要ではない。
食品廃棄の削減という取り組みのうち大きな部分を占めるのは、これらの違いについて消費者に知ってもらうという単純な啓発だ。モーガン氏は、「この問題の解決は、行動経済学と教育の活用にかかっている」と話した。
Photograph by Chip Somodevilla / Getty