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インタビュー記事一覧に戻る未だ全てがKAIZEN途中!?須藤憲司の考えながら高速で走る組織論
■須藤憲司
サービスにおける改善施策を加速させる『Kaizen Platform』を提供し、今ノリにノッてるスタートアップKaizen Platform, Inc.の須藤さんが、ちょっと意外なKAIZENの中身について語ってくれました!
サンフランシスコを拠点に、WebサービスやモバイルのUI改善をいわゆる「A/Bテスト」によって加速させていく支援サービス『Kaizen Platform』。
今回はその運営元Kaizen Platform, Inc.の須藤CEOを訪ねてまいりました!
既に業界で知らない人のほうが少ないだろうという勢いでサービスを急成長させ、とにかくスマートでかっちょいいイメージが先行している感のある須藤さんに会う!
というわけで、無駄に緊張しながらも新宿の日本オフィスへ突撃です。
・上手く行ってる時こそ大変。ちょっと意外なKaizen Platform, Inc.の内側事情
・割と行き当たりばったり?必要に迫られたリモートワークスタイル
・TOPがみんなに話を聞かせる…じゃあ意味がない
・徹底した共有と教育のスタンスが支える圧倒的なスピード感
・ビバ即戦力採用!だからこそ重要視すべき「教育」の具体プラン
・リク●ビとか絶対出さない。KAIZENが絶対採用しない意識基準
・これからのKAIZENが「変えていくもの」と その目的
まずはお約束! 高級感溢れる看板前で一枚!
そして、入ってみるとさすがのオサレエントランス。既にちょいちょい英語でのディスカッションが聞こえてきます。
オフィスに足を踏み入れると……
広! そして人少な!
なんだこれ……? リモート? リモート会議?
ここが……
あの有名なKAIZENの中……!
と、妙に感動しながら10月に移転したばかりだという真新しいオフィスをウロウロしていると……
来た! 須藤さん!
Kaizen Platform, Inc.の須藤CEO!
さてさて、有名人に会えたノリで取材陣は完全に浮足立っていますが、今回はちょっと突っ込んだ感じでお話きかせてもらいますよ?
インタビュースタートです!
KAIZENといえば、あっちゃこっちゃで見かけるインタビュー記事やとかで「なんとなくスマートで洗練された経営体制」をとっているようなイメージがあったんですが(僕の中で)、さて実際にはどんなモンなんでしょ?
巷のスタートアップ企業がお手本にするほどの爆速成長を続けるチーム内で、何がどんな風になっているのか割とズケズケ聞いてみました。
上手く行ってる時こそ大変。ちょっと意外なKaizen Platform, Inc.の内側事情
いや、正直しんどいですよ。
僕のとこにくるインタビュアーさんの「スマートですね!」「合理的ですね!」みたいなリアクション見てるとちょっと鼻で笑いたくなるくらいに。ホント中は大変なんですって。
おぉ…っと?
ちょっと意外な反応。
いや、でもそこはKAIZENさん。多くの社員をリモートで管理しつつ、色んなツールを駆使して「今までの会社と違う」やり方をどんどん推進してる……ん……ですよね?
若干混乱中の取材陣に対し、須藤さんはさらに続けてくれます。
確かにツールは結構多用してます。
何しろ社員数は増えてるのに、1/3近くがリモートで月数回しか合わなかったりしちゃいますから。
うおおぉう。聞いてはいましたが、予想を大きく超えるリモートワーカー率。
実は須藤さん自身も創業以来、資金調達やら採用やらでほとんど社内におらず、下手すりゃタクシーの中からリモートで会議に参加したりしていたんだとか。
さすがに社員に怒られちゃいまして……笑
最近は毎週月曜17:00~は社内に強制配置される「CEOタイム」なるものを作ったりしてます。やっぱり業績が伸びてる時って外から見れば「スマートで格好いい」だけど、中から見たら「うわぁー!なにこれー!」な状態なんですよ。とにかく社内のアレコレを改善してかなきゃいけない。だから僕もそっちに少しずつコミットしていこうとしているんです。
なるほど。成長している今こそ社内とプロダクトを改善しなくちゃってことですね。
わかっちゃいるけど、どうしたって「景気がイイ時」は調子に乗って、「景気が悪くなってから」社内の改革やらなんやらをやりたくなるのが人情。
そこを「忙しいから今やろう」と言えるのはやはり……さすがですね。
実際は「1ヶ月かかってた改善提案からの実装を2週間にしよう!」⇒ 実現
「さらに早めて1日で行けるようにしよう!」⇒ 現場絶句
とかこんな感じですけどねw
???
ん??
えーっと?
落ち着こう。ちょっと落ち着いて整理しよう。
元々1ヶ月かかっていた改善提案から実装までの流れを2週間に短縮した。うん。ここまでは理解できる。
必要な日数を半分にしたんだ。素晴らしいKAIZENだ。
で……? それを……? 1Dayでなんとかするようにしよう……と。
いやいやいやいや!
それはさすがにムチャでしょう!?
わかんないけどきっとなんとかなりますよ。多分……
勢いがある今だからこそ、サービスの改善をやっていかないとね。まぁそんなわけで、さっきから言ってるように「中は常にバタバタしてる」わけですけどね。
な……なるほど……
ちょっと桁が違いすぎて一瞬意識が飛びかけましたが、つまり超高速で成長するためにはこのレベルの改善を走らせ続けないと行けないんですね……
ちょ、ちょっとビックリしました。
割と行き当たりばったり? 必要に迫られたリモートワークスタイル
ところで、なぜKaizen Platform, Inc.は、リモートワークを社員の半数近くに適用するほど推進したんでしょう?
確かに今の潮流ではあるし、利便性もあるとは思いますが…その分人の管理が大変になることは目に見えているはず。
ちょっとその辺どう考えているのか、聞いてみると意外な答えが。
実は結構単純な話なんです。元々新橋の他のベンチャーさんの会議室を男6人で間借りして会社をはじめたんですが、とにかく狭くて暑くて臭かったんですw
まぁおっさん6人が西日の入る会議室に閉じこもってりゃそうもなりますよね。
で、あまりに不快なんでそのうち誰も来なくなったんです。全員近場のスタバで仕事し始めてw 実はこれがウチのリモートワークの走りだったりするんですよ。
なんと……! そんな、なんていうか……あの……
…………
…………
……………………ダメだウケる!!ww
須藤さん曰く、結局そのままスタバで仕事を続け、そのうち「大阪にいるけど一緒に働きたい」というイケてるエンジニアが現れ、どうせ全員スタバにいるしリモートでいっか。という流れから現在の方針になっていったんだとか。
「CEOになった須藤さんの最初の仕事がファ●リーズを買いに行くことだった」というエピソードで取材陣は轟沈しましたが、まだまだ気になることはあるので気を取り直していってみましょう。
TOPがみんなに話を聞かせる…じゃあ意味がない
まぁ実際、そんな感じで社員の大多数がリモートで仕事するようになっちゃったんでやっぱり情報共有は大事にしてます。
会社に来てる人と来てない人の間に情報格差があったらマズイですからね。
とにかく、「みんなの話を聞かせてくれ!」て感じのディスカッションを月1単位でガッツリやってるんですよ。
聞けば、Kaizen Platform, Inc.では月に1回、宴会コミコミで全社員大集合の合宿(みたいなこと)を、ずーっと行っているんだとか。
とにかく「会社という大きなチーム」に「参加してる感」を作り出すため、CEOの須藤さんはじめ偉い人達のスピーチはなるべく少なく。
完全に「みんなの話を聞くためのディスカッション」の場としているとのこと。
あったりまえの事ですけど、確かに「偉い人のスピーチ」なんて聞かされても ”チームでやってる感” なんて感じないですもんね。なるほど。
そりゃ成長のスピードも速くなるわけですわ…
徹底した共有と教育のスタンスが支える圧倒的なスピード感
とにかくKAIZENではスピードを意識してやってるので、実は年次でプロジェクトを組むことがほぼ無いんです。あんまり長いゴールとかおいてもモチベーションが持たないんで。なので、ほとんどのプロジェクトは3カ月以下ですね。
小さく作ってリリースすることの繰り返しになるようにしてたりします。
実際のプロジェクト管理図を見せてもらいましたが、KAIZENでは現在大きく分けて5つのプロジェクト(US、詳細改善、広告テスト、UI改善、請求関連)が存在し、その中にさらに小さなプロジェクトが10~20程度走っているのだとか。
プロジェクト単位では明確に区分けを行い、それぞれにゴールを設け、かつ3ヶ月未満という割と短いスパンで目標をクリアしていく。
グロースハックなんてほぼ知らないような僕でもハッキリわかる形でキレーーーに整理されている図解とチーム編成図は、ちょっと感動すら覚えるほどでした。
しかし……ここまでスピードを求めるとなると、とにかく「誰をアサインするか?」が難しくなりそう……
その辺りを須藤さんに突っ込んでみると、これまた明確な考え方とプランをバシッと言い切ってくれました。
ビバ即戦力採用! だからこそ重要視すべき「教育」の具体プラン
ぶっちゃけ新卒採用はしてないです。とにかくビバ即戦力採用。とは言え「即戦力だから教育が必要ない」とは考えてなくて、むしろ必須の要件だと思っています。
どこのどんなエース人材が来ても、必ず最初は悶絶するんです。だってやったことがないビジネスなわけですから。
と、なんだか熱く語る須藤さん。実際KAIZENでは……
- 入社したらとりあえず3ヶ月行動プラン作成
- クライアントやデザイナーにインタビューしに行く
というプランを即戦力中途として採用したメンバーに実行してもらってるとのこと。
当たり前のようでいて、確かにあんまりやってる企業を見かけない「顧客やパートナーのナマの声を個人個人が聞きに行く」という行動を、そのまま教育ツールとして使ってるって感じでしょうか。
インタビューの結果をQiitaで社内共有するというのもまた目からウロコでした。確かにそれなら無理なくユーザーボイスを集めながら、自分たちに何が求められているのか客観的に知ることができて一石二鳥っすね。
リク●ビとか絶対出さない。KAIZENが絶対採用しない意識基準
基本、会社に育成してもらおうって魂胆はダメだと思うんです。グローバルで伸ばす会社ではそれが当たり前ですし、アメリカで面接したらすごいやつしか来ないですし。
ほんとに価値(競争力)の源泉(仕組み、スキーム、体制など)をつくれる人間だけで一緒に仕事できたらと思っているんです。
だからリク●ビとか絶対出すつもり無いです。元リクルートの僕が言うのもアレですけどw十把一絡げで採用してたら、世界で勝てない。
うぉ……お、おぅ……(やべーどうしようコメント困る)
須藤さん曰く「ルーチン部分は外の人間でやれる」ので、自社の社員としてアサインしてもらう人間にはより高いレベルの行動力を求め、それを伸ばしていきたいんだとか。
「会社に育成してもらおう」か。
その気持が今の自分に完全に無い! といえば嘘になる……ような気がするなぁ……。
き、気合い入れんと!
人だけ拡大しても問題ばかり起きるんです。で、「その問題を解決できる人の採用」が必要になってしまう。
このサイクルに入ることを僕らは悪だと考えているので、そうならないように必死になってる感じですね。
ん……んんん……
なるほど・・・
人が問題となり、その問題を解決するための人が必要になって……うぁぁぁ……
思い当たる節がいくつもありますが、あんま下手な事言ってクビ吹っ飛んでもアレなんで、次行きましょう!
次!
これからのKAIZENが「変えていくもの」と その目的
多くのサービスが、多くのツールを使って、多くの人が悩んで、なのにまだまだ改善できてない。そもそもマーケターって他にやることいっぱいあるのに、まずはツールの使い方を覚えることで手一杯になっちゃう。
それをなんとかするための「Kaizen Platform」なんですが、これって実は僕自身の苦い経験からだったりするんです。
かつての自分のためにサービスをつくり、それを通じて僕らは「世界を改善」しようとしてるんですよ。
「これからのKAIZENはどうなるんですか?」という問いかけに対し、やたら格好いい返しをしてくれた須藤さん。
今もなおいくつもの新機軸サービスを作り出し、これからもあらゆる面で「サービスをカンタンに改善する」ためのツールを提供していく。という未来図の裏には、自分自身の悩みや苦悩をクリアにするという意思があったんですねぇ。
「まだまだKAIZEN自体が改善途中」と語り、忙しすぎて放ったらかしだった自社LPを改善したらCVRが20倍になっちゃったりもしたそうですが、何よりその「走りながら考える」スタンスがとてもかっちょよく、羨ましくも感じてしまった1日でした。
須藤さん! 今日はホンっとありがとうございました!
訪問直後に慌てて自分自身の(グッチャグチャな)机を写真の見栄えを意識してKAIZENしていた光景(単に机の下に放り投げてただけ)は僕の胸の中にしまっておきたいと思います!
Kaizen Platform, Inc.求人情報
Kaizen Platform, Inc.では、以下の職種を募集しています。
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Kaizen Platform, Inc.
https://kaizenplatform.com/Kaizen Platform, Inc.は、2013年米国で創業し、PCやスマホのwebサイトを誰でもカンタンにA/BテストができるUI改善プラットフォーム「Kaizen Platform」を提供しています。単なるツールではなく、オンライン上から1000名以上のグロースハッカーに自分のサイトやページの改善案を募ることができるクラウドソーシング機能も提供し、エンジニアやデザイナーがいなくてもA/Bテストを実現できるソリューションとして、現在、世界40カ国、600社に導入されています。