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 実体のない会社の債券取引を装い、現金8500万円をだまし取ったとして、警視庁と静岡、和歌山両県警の合同捜査本部は、指定暴力団住吉会系組幹部上田浩範容疑者(38)=東京都豊島区=ら15人を詐欺容疑で逮捕し、17日発表した。この会社をかたるなどした同様の被害は約170件で、被害総額は約15億円に上るとみて、関連を調べている。

 発表によると、上田容疑者らは大阪府の女性(80)方に再生医療の研究開発を手がける「ジャパンメディカル」という実体のない会社のパンフレットを送付。「(同社の)債券を購入してもらえれば、より高い金額で買い取る」とうその電話をかけて4~7月、計8500万円を私書箱に送らせてだまし取った疑いがある。

 上田容疑者ら5人が容疑を認め、残る10人が否認しているという。メンバーらは上田容疑者ら組員の下で携帯電話や私書箱を契約したり、電話をかけたりしていたといい、同庁組織犯罪対策4課はだまし取った金が暴力団の資金源になっていたとみている。

 国民生活センターのまとめでは、2月以降、ジャパンメディカルに関する被害相談は全国から152件寄せられているという。