入札不調:「サオリーナ」完成遠く…津のスポーツ施設

毎日新聞 2014年11月09日 11時31分(最終更新 11月09日 11時41分)

入札が3度不調になり、駐車場のままの「サオリーナ」建設予定地=津市北河路町で、井口慎太郎撮影
入札が3度不調になり、駐車場のままの「サオリーナ」建設予定地=津市北河路町で、井口慎太郎撮影
「サオリーナ」の建設予定地
「サオリーナ」の建設予定地
サオリーナ(右上)を含む全体施設の完成予想図=津市提供
サオリーナ(右上)を含む全体施設の完成予想図=津市提供

 東海3県で公共工事の入札不調が増加した結果、地元出身の金メダリストの名前にちなんだ施設の着工のめどが立たない、高校の開校が遅れるなど、幅広い分野に影響を及ぼしている。入札が成立しても応札が少なくて競争にならず、落札額が予定価格の99%を超える高率のケースも出ている。自治体側は対応に頭を抱えるばかりだ。【岡大介、井口慎太郎】

 ◇高校開校遅れも

 「サオリーナ」と命名された津市のスポーツ施設の建設業者が決まらない。レスリング女子で五輪3連覇を達成し、国民栄誉賞を受賞した地元出身の吉田沙保里選手の名前からとった。2013年8月以降、3回の入札はすべて不調に。市は4回目の入札実施を決めた。入札期限は今月28日までで、12月25日に開札される。

 入札予定価格は、資材費や労務単価の上昇などを考慮し、1回目の約56億円から約89億円に上昇した。施設完成は当初予定の16年春から1年以上遅れ、入札が成立しても17年8月以降になる。前葉泰幸市長は10月に吉田選手と会い、「せっかく名前をもらっているので、何としても完成させたい」と伝えた。

 愛知県では、新設の県立愛知総合工科高(名古屋市千種区)の校舎建設工事が2度の入札でいずれも不調に。今年4月に3回目の入札で落札され、予定価格は1回目の約69億円から倍近い約112億円に膨れ上がり、落札額は99.99%だった。開校は、当初予定の15年度から1年遅れる。

 名古屋市では今年1〜3月に発注した市営住宅の新築工事で、一般競争入札3件(予定価格約5億4000万〜3億8000万円)の落札率が99%を超えた。2件の工事は入札業者がそれぞれ2社しかなく、うち1社がいずれも予定価格を上回って失格した。異常とも言える落札率に、市工事契約課は「望ましい状態ではない」と指摘する。

 同市では14年度も、小学校の外壁修理工事など学校関係の工事の入札不調が昨年度の2件から8件に増えた。生徒がいない夏休みに着工する必要があったため、市教委は「このままでは生徒の安全や学業に影響が出かねない」と危惧し、随意契約に切り替えた。

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