2014年11月 9日放送
知らなきゃ損!? 図書館がスゴイ!今回は"図書館 活用術"ですっ
3年前にオープンした東京・武蔵野市の図書館。4階建ての建物は吹き抜けになっていて、明るく開放的なつくり。本を探すスペースもゆったりとしています。1階フロアの中央にあるのは、なんとカフェ!館内の本はすべて持ち込み自由。貸出し手続きも必要ありません。読書をしながら食事をすることもできます。ここは、いわゆる「滞在型」と呼ばれる図書館。利用者が長い時間、心地よく過ごせる工夫が随所に施されています。お子さん連れには「こどもライブラリー」。静かなエリアと分かれているので、少しくらい騒いでも大丈夫です。
さらに地下には、小学生から二十歳までの青少年だけが使えるフロアが。おしゃべりしたりカップ麺を食べたり。まさに子どもたちの解放区。でもこんなに賑やかで、勉強、大丈夫?「お話をしてから勉強する。わからないことがあったら頭のいい子に聞きにいく。」「しゃべったりお菓子食べたりしながらできるから楽しんで勉強できる。」しかも!青少年が優先的に使えるスタジオも完備。ダンスも踊れちゃいます。その隣には卓球場、そして音楽スタジオも。子どもたちにとって絶好のたまり場。でも大人の目もあるので親も安心です。
続いて訪ねたのは奈良県立図書情報館。なんでも、積極的に本をアピールし、人生を豊かにしてくれる図書館なんだとか。というのも、ここでは様々なジャンルのイベントを年間200回以上も開催。一見、図書館とは関係なさそうですが・・・たとえば、ファッションショーの場合、その歴史や、デザイナーのエッセーなど、関連する本を紹介します。つまり、イベントを入口に、利用者に積極的に本の情報を提供する「攻めの図書館」なんです。
ここで人生が変わったという、グラフィックデザイナーの森口耕次さん。5年前、森口さんは会社を辞めて独立するか迷っていました。そんな時、たまたまこの図書館で開かれたトークイベントに参加。そこでもらったブックリストで一冊の本に出会いました。それはユニークな働き方をしている人たちを紹介した本。読み進めていくうちに、森口さんは背中を押されたと言います。
「自分のやりたいように舵をとって仕事をするのは不安なこともあるけれども、楽しそうなんだなぁというのは、すごくこれを読んでわかったので。(もしイベントがなかったら?)たぶん、この本のことは知らないまま生きていたでしょうね。本はあまりにもたくさん出ているので、知るきっかけがないとどうしたって知りようがないような気がするんですよ。」人生を豊かにしてくれる出会い。それはあなたの守備範囲のちょっと外側にあるのかも。
さらにスタッフは、気になる情報を発見。月に2億8000万人がアクセスするという世界最大の旅行情報サイトが、オススメの図書館を発表。世界の名だたる図書館に並んで、なんと6位に長野県の図書館がランクイン!というわけでやってきました長野県小布施町。町には、「まちとしょテラソ」という図書館を中心に、17か所も図書館があるんです!名付けて「まちじゅう図書館」。
さっそく地図を頼りに歩いてみると、たどり着いたのは・・・おみそ屋さん。ここが図書館?あ、みそ樽の横にありました、本棚!さすがおみそ屋さん、みそや発酵食品に関する本がいっぱい。続いて訪ねたのはジャズ喫茶。ジャズの専門的な雑誌から、歴史、評伝まで、こだわりのラインナップがずらり。マスターが司書となり、初心者にもていねいに本を紹介してくれます。「まちじゅう図書館」を始めて2年、町のいたる所で魅力的な本に出会えることもあり、小布施町には今年120万人の観光客が訪れました。町では今後、100か所を目標に図書館を増やしていく予定です。
鳥取県鳥取市。市内に暮らす田中恭子さんは、ある悩みを抱えていました。大手家電メーカーの元・技術者である父・楢夫さんが25年をかけて開発した家庭用の生ゴミ処理機。この売れ行きが不調なんです。世界11か国で特許を取得している楢夫さんの生ゴミ処理機は、流し台の下に取り付けるタイプで、排水口から直接生ゴミを処理することができます。一晩たてば、生ゴミはカラカラに乾燥し、嫌な臭いも出ません。ゴミは20分の1に減量、有機飼料にも利用できて、とってもエコなのに...。
しかし悩みを解決するよいアイデアは浮かばず、コンサルタントを雇うお金もありません。そこで、田中さんがとりあえず向かったのが図書館でした。起業セミナーや、ビジネス書の充実など、中小企業やベンチャーの支援に力を入れていると聞いたからです。田中さんの相談をうけたのは司書の岩崎武史さん。岩崎さんは、「生ゴミ処理機が、どのくらい売れているのか調べて欲しい」と田中さんに頼まれました。マーケティング会社の資料や、政府機関の統計など、図書館がもつ資料を調べます。
調べた結果、生ゴミ処理機の販売台数は、年々下がってきていることが分かりました。すると岩崎さん、全国の図書館のネットワークや、独自に契約している有料データーベースをチェック。何か田中さんの役に立つ情報はないかと各所に問い合わせます。それにしても、岩崎さん、どうしてそこまで熱心なんですか?「ビジネスをこれからやっていこうという方なので、他の企業とか社会がどう考えているのかも含めてわかった方がいいのかなと。ビジネス支援をうたっているので、その辺も含めて情報提供しようと考えました」
鳥取県立図書館では、こうしたビジネス支援を通常業務の一環として行っていて、およそ40人の司書が月に100件以上の相談にのっています。その実績の一つが、鳥取のベンチャーが開発した、シャッターの補強器具。ワンタッチで台風に備える補強が出来ると2万本が売れました。台風などの被害地域を司書が調べ上げ、効果的な営業活動ができたのです。さらに、以前サキどりでも紹介した、これまでの10倍近い切れ味を持つドリル。この技術は世界に通用するのか?図書館が調査した結果、この会社のドリルは世界に類のないものだということがわかりました。さっそく世界各地でPR。評判は上々で、新たに世界6か国で契約を結ぶことができました。
苦節25年、生ゴミ処理機にかける田中さん親子もまた、図書館の調査に期待を寄せていました。~調査を依頼して1週間~司書の岩崎さんから提示されたのは、期待を上回るありがたい情報でした。「ゴミ削減のために助成金を出す自治体が増え、新規参入する企業も出てきた。今後も成長が見込めるかもしれない」というもの。さらに販売先として有望な全国の会社のリストまで調べてくれました。「(恭子さん)いろんな繋がりを作ってくれますよね。人だったり企業だったり。司書さんを通して世界がひろがっていると思います。」司書によるビジネス支援でかかる費用はコピー代のみ。田中さんの場合は、300円程度かかっただけとのことです。
TKO木本武宏さん(お笑い芸人)
スゴイですね。司書の人の、あのパワー。僕、司書さんって貸し出しとか、本の管理だけしてはるんや思ってたんですけど、こんなにサポートしてくれるんですよね。...だからとりあえず図書館に行って、司書の人に今後の僕の芸能活動を一緒に考えてもらいます。(笑)僕の可能性について一緒に考えてもらいます。(笑)
糸賀雅児さん(慶應義塾大学文学部教授)
図書館ですと、本の探し方がわからなければ、司書の方に相談を持ちかけます。ピンポイントでその方に合った資料や情報を提供していくのは、やはり図書館ならではのサービスだと思いますね。公的に出版されたものの中から司書が選びますので、その人に見合った情報、つまり"最適解"をいち早く取り出してもらえるはず。ですから、困ったときにはまず図書館へ、わからなければ司書に聞け。これを合言葉に、ぜひ地域の図書館を積極的に活用してください。
※図書館でのイベントは毎日開催されているわけではありません。
また図書館で利用できるサービスは、基本的にはその自治体の住民に限定されていることが多いです。イベントの予定や利用条件については、それぞれの図書館に確認して下さい。