メカAG 池田信夫 blog : ピケティを理解できないリフレ派の訳す『21世紀の資本』 http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51915872.html例によって池田信夫がまた変なグラフを持ちだしている。池田信夫は食料およびエネルギーを除いた物価(コアコアCPI)が全然上昇していないという。確かにグラフを見ると98.5あたりで横ばいに「見える」。総務省の発表だと2014年4月からコアコアCPIは大幅アップしてるのだが、池田信夫のグラフでは横ばい。なぜかと思ったら消費税分を差し引いてるのね。日銀は消費税アップによる物価上昇分を2%と見積もっているので、池田信夫のグラフは4月からその分を引いたものらしい。まあ正しいけどそれならそれで一言書いておいてほしいのだが。物価上昇を見るなら他の要因で変動しやすい食料やエネルギーを除いたコアコアCPIで比較すべきというのは、正しい。消費税アップによる影響を差し引くのも正しい。つまり池田信夫の主張は正しい。おお、俺が池田信夫を支持する日が来ようとは!しかし…。 * * *これが2009年8月から2014年9月までのコアコアCPIの推移。池田信夫に合わせて消費税増税以降は2%差し引いてある。日銀バズーカが行われたのが2013年4月だから、それまで低下する一方だったコアコアCPIが上昇に転じてるよね。今年の4月からは消費税の影響で若干下がった後、横ばいだけど。池田信夫の前提(コアコアCPIを比較、消費税分を補正)で考えても、日銀バズーカの効果は明らかだろう。 * * *前年同月比のグラフ。2013年4月の日銀バズーカから明らかに上昇してるよね。それまでが-0.5だったのが+0.5に反転している。2014年4月の消費税増税後は若干下がってるけど。だからあれほど、消費税を上げるなと(ry。まあ、それはともかく日銀バズーカそのものはきちんと機能している。だいたい日銀バズーカは2013年4月からなのに、池田信夫のグラフはなんで直前の2013年1月からしか描いてないのか。長期的な傾向がわからんだろうが。わかっててやってるのか知らないが。 * * *-0.5から+0.5じゃ、約束した2%に比べてあまりにも小さいんじゃないの?という主張は、う~ん、どうなんですかねぇ。黒田総裁は物価上昇が2%と言ったのであって、コアコアCPIが2%とは言ってないし。 統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次結果の概要) http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htmCPIなら2014年9月の前年同月比は3.2%だから消費税増税分の2%を差し引いても1.2%ですな。コアコアCPIは2.3%だから消費税分を差し引くと0.3%になってしまうが。「物価」とはなにか?という水掛け論担ってしまうが、「物価が上がって庶民は辛い」という時は大きい数字(CPI)を使って、「金融緩和の効果がない」という時は小さい方の数字(コアコアCPI)を持ち出すのは、どうなんですかね。コアコアCPIを2%上昇させたら、CPIはもっと上昇して庶民は辛いと思うが。そもそも消費税増税だって、これはアベノミクスと無関係に決まってたわけで、アベノミクスをやらず消費税アップだけやった方がよかったんですかね?それともアベノミクスも消費税アップも何もやらず、ずっとデフレのまま何も変えなかった方が日本国民は幸せになれた、と?