10/19日、南船場にある文学バー「リズール」で行われた
“クリエイターズ・ネスト”というトークイベントに参加してきました!
ゲストは第34回日本SF大賞を受賞した酉島伝法さん。
「皆勤の徒」が個人的に衝撃だったので、これはもう行くしかないね!酉島伝法さんの公式ブログ:棺詰工場のシーラカンス
酉島伝法(∴)とりしまでんぽう Twitter (@dempow)
以下はイベントの模様をまとめたレポです。
※酉島さんの許可を得て掲載しております※
●受付~店内へ●
店の外の受付で、酉島さん自ら朗読される「SFマガジン2014年4月号」掲載の
「環刑錮」の抜粋資料と、社長栞をいただく。(※冒頭の写真)
なお、受付がなんと吉村萬壱さんだったのですが、わたくし帰りの電車の中で
酉島さんのTwitterを見るまでそのことに気付かず orz
書店主催のサイン会には何度か参加した経験はあるのですが、こういったお店でやる
小規模トークイベントは初めてで、
ち、ちかい!ものすごく近い!
バーカウンターを挟んで手を伸ばせば握手できるような距離に酉島さんが!!!
自分が緊張していたせいかもしれませんが、トークが始まる前、なんとなく店内の雰囲気も
硬いような印象だったのですが、進行の玄月さん、さすが慣れていらっしゃる。
開始の挨拶で「いやー、今日は本当にいい天気でね、雲一つない爽やかなこういう日にね、わざわざ地下でこういう話を聞こうっていう変態の方々においでいただいて」というところで一同ドッと爆笑。
これで緊張がほぐれて、あとは終始リラックスしてお話を聞くことができました。°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
●酉島さん登場~「環刑錮」朗読●
いよいよ酉島さんご登場、「環刑錮」のざっくりしたあらすじの後、朗読!
(※「環刑錮」はSFマガジン2014年4月号に掲載)
「環刑錮」は酉島さんいわく「初めてちゃんとした人間を書きました!」
とのことですが、いや、やっぱり意味わからないですww
玄月さんは「意味は分かんないんだけど、なんか、東北とかの方言みたいにも聞こえるね」
と仰ってたのですが、わたしは能とか狂言とか、そっちっぽい印象を受けました。日本語じゃないという気はしないんだけど、意味はわからないし、節回しが独特で、すごく不思議な印象。
●創作について~文章とスケッチと●
固有名詞のほとんどが造語という、あの独特な世界はどうやって作られているのか?という話になり、
酉島さん「一瞬でパッと思いつくと思ってる人がたまにいるんですけど、造語用のテキストファイルがあるんですよ」
とのこと。
小説を書くとき、 文章だけでなくスケッチを描いてイメージを作っているが、
文章⇔スケッチを互いにフィードバックしていて、スケッチを描いてみて初めて、
「そーだったのか!」ってなる時もあるそうです。
文章を起こすのとスケッチは別回路で、文章のほうがしんどいらしい。
ここでなんと、0.3mmのシャーペンを使った「洞の街」のスケッチのほか、螺導をはじめとする
登場人物のラフ画などの、貴重な資料を回覧してくださったので、超間近で見れました!
スケッチの細かさときたらもう、ため息しか出ない・・・(*⁰▿⁰*)
エドワード・ゴーリーの原画を見た時も、あまりの線の細かさに眩暈がしたんだけど、それを上回る精密さ。
酉島さん「最近、さらに細い0.2mmのシャーペンが発売になったので、NOVA+の挿画はそれで描きました」
●みんな大好き百々似●
百々似のイメージについて。
その時TVでやっていた雪下ろしのシーンを見て「これが全部虫だったらおもしろいな~」と」
“ももんじ”という音は「もんもんじい」「ももんじや」など複数のものから着想。
ももんじや、というのは落語か何かで聞いた覚えがあるのですが、後から調べたら、
江戸時代、イノシシ・シカ・タヌキなどの獣肉を売る店、またはその商人をいうそうです。
ももんじという語は百獣(ももじゅう)の転訛という説があり、毛深い化け物などの意味にも用いられた、
と『日本大百科全書』に記載があったので、鳥山石燕の妖怪画にある「百々爺」とかも、
この語感からのイメージなのかも?
「百々似隊商」はメルヴィルの『白鯨』と、アプトン・シンクレアの『ジャングル』(シカゴの食肉産業の小説)がヒントになっているとのこと。
アプトン・シンクレアの名を初めて知りましたが、ちょっと調べてみたらすごく面白そうだったので、小説も映画も是非チェックしたい。
百々似のラフ画も見せていただいたのですが、走り書きで「ちょっと湿っている」って書いてあったのがツボw
酉島さん「百々似は最初はもっと芋虫っぽかったんだけど、描いてるうちにだんだん愛くるしくなっていって・・・」
百々似かわいいよ!あいくるしい!!!(*゚∀゚)=3
わたし大好きですももんじ!!
●「皆勤の徒」は私小説●
表題作「皆勤の徒」についてのお話で、衝撃の一言が。
酉島さん「ほぼ私小説です。ほぼ実話です。」
!?( º言º; )
どよめく参加者たち。(そりゃそうだ・・・)
「皆勤の徒」は刷版(CTP)の仕事をしていて一番しんどかった時に
書いたものだそう。
それがあの社長か。
土師部にもモデルがいるそうです。うわあ・・・・。
●小説家になるまで~円城さん登場●
小説家としてデビューするまでの道のりのお話。
初めて小説を書いたのは小学生くらいで、ドリトル先生のパロデイみたいなもの(!)だったそう。
本格的に書き始めたのは二十代後半で、11年くらい文学賞に応募されていたそうです。
最初は文学界や群像に送っていたが通らず、路線を変えてファンタジーノベル大賞に出したらいきなり一次が通ったので、「あ、こっち系かな、と」。酉島さん「ちょうど、円城さんが書いてるようなものが書きたかったんですよ。でも、円城さんのデビュー作を読んで「こんなおかしいもの書けない!」と思ってあきらめました。」
酉島さんのご友人ということで、円城塔さんも参加者としてその場にいらっしゃったのですが、
トークに飛び入りされ、お互いの作品についてのお話など。
円城さん「酉島さんは、SFジャンルとしては“人類にはまだ早い系”なので、量を書くか人類に擦り寄るしかないですよ」
酉島さん「えっと・・・・」
酉島さん「ううん・・・・(困)」
個人的に、ここらへんのお二方のやり取りがめちゃくちゃ面白かったw(゚▽゚*)
●普通に生活してる人を書きたい●
トーク全般を通してわたしが一番印象に残ったのが
酉島さん「例えば、僕らだって冷蔵庫の仕組みを知ってるわけじゃないけれども、
普通に冷蔵庫を使って生活してるわけでしょう。
それなのに、(小説の中で)冷蔵庫の説明が延々と続くのはおかしいと思って」
この例えで、なんかいろいろと腑に落ちました。
普通、世間一般で言われるSFというジャンルは、その(現実とは異なる)世界のシステムだったり宇宙船や人工知能といった未知の要素が面白さの一つになるんだろうけれど、酉島さんの場合は「未知の要素」そのものではなくて、「未知」を描く際の発想や、物語を構築していくための視点が、世間一般のそれとはまったく違っていて、それがあの独特な世界を生み出しているのかなあと。
参加者からの質問コーナーや、トークの中でもたびたび話題になっていた、
酉島さんが影響を受けた作家や作品など。
小栗虫太郎、久生十蘭、安部公房の作品。
沼正三『家畜人ヤプー』
山尾悠子『夢の棲む街』(「洞の街」はこの作品のオマージュだそう)
ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』
ジョージ・アレック エフィンジャー『重力が衰えるとき』
ピエール・マッコルラン『恋する潜水艦』
ズジスワフ・ベクシンスキー
H・R・ギーガー
●お宝争奪戦ジャンケン大会●
イベントの最後は、酉島さんがいくつか用意してくださった参加者へのお土産争奪戦!ヾ(o゚Д゚o)ノ゙
・酉島さんのサイン・落款入りイラスト3点
・酉島さんお手製の、ミニ百々似2点
・酉ビュート
ファン垂涎のお宝をめぐる、熾烈なジャンケン大会の末、
イラストげっと !!✧\٩( 'ω' )و // ✧
宮部 みゆき 月村 了衛 藤井 太洋 宮内 悠介 野崎 まど 酉島 伝法 長谷 敏司 円城 塔
河出書房新社
売り上げランキング: 4,119
河出書房新社
売り上げランキング: 4,119
『NOVA+ バベル』収録の「奏で手のヌフレツン」の挿画!!
いやー、もうこれわたし、今年の分の運使い果たしたね(゚▽゚*)
悔いはないけどね(゚▽゚*)
イベント終了後に、サインや少しだけお話させていただく時間も設けていただき、
ちゃっかり単行本にもサインをいただきました!
おまけに百々似まで書いてくださったーああああ嬉しい。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・。
もちろんここに書ききれてないお話もいっぱいあって、貴重なラフ画なども見せていただき、
本当に楽しい、夢のような2時間でした(*´ェ`*)
またお話聞かせていただく機会があれば、是非参加したいです。
もちろん、著作もずっと追っかける!=≡Σ((( っ゚∀゚)っ
「長編のお話もいくつか来ているし、毎日書いているんだけど進まなくて・・」
というお話をされていたので、
サインをいただくときに「ず・・ずっと待ってます!」て言ってしまいましたw
ええ、出るまで待ちますよ!長編!!
リズールさん、壁一面の本棚に囲まれた「読書人の巣」ってかんじで
素敵なお店でした。
毎月いろんなイベントがやっているようなので、トークイベント以外でも
参加してみたいです。
0 コメント:
コメントを投稿