Updated: Tokyo  2014/10/28 20:28  |  New York  2014/10/28 07:28  |  London  2014/10/28 11:28
 

消費増税、今の日本経済に耐える体力ない-柴山自民財金部会長 (1)

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  10月28日(ブルームバーグ):自民党の柴山昌彦財務金融部会長は、現在の経済状況を分析する限り、消費税率の10%への引き上げを予定通り実行できるだけの体力はまだないとの認識を示した。仮に先送りし、国債の金利が暴騰するならば追加緩和も必要になると話した。

27日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。柴山氏は「消費の落ち込みは一時的なものと言えるか、かなり疑問」と指摘。今後発表される指標が力強い「回復の兆し」となるものでなければ、現時点では増税に「日本経済が耐えられるのか疑問と感じざるを得ない」とも語った。

柴山氏は、仮に先送りして国債の金利が暴騰した場合に備えて、「一定の準備は必要。具体的には金融政策が中心になってくる」と指摘。追加緩和について「いざという時のカードとして使えるようにしておいた方がいい」との考えを示した。海外投資家らから、消費税率を引き上げないほうが日本の財政にプラスとの理解を得られれば「それほどドラスチックな対策は必要ない」とも述べた。

消費増税の予定通りの実施に慎重な意見を唱える動きは党内で広がりつつある。22日には、山本幸三衆院議員が会長を務める議員連盟が消費増税先送りについての勉強会を開き、40人超の国会議員が参加。講師として招かれた本田悦朗内閣官房参与が17年4月への先送りを主張した。

共同通信が19日に配信した世論調査結果によると、15年10月からの消費税率10%への再引き上げに65.9%が反対し、賛成は31.0%にとどまっている。

3党合意

消費増税は2012年、当時の民主党の野田佳彦政権が野党だった自民、公明両党と税率を5%から2段階で10%に引き上げることで合意。安倍晋三政権は14年4月からの8%への増税に踏み切った。総務省の家計調査では、消費支出は4月以降落ち込み、8月になっても前年同月比で実質4.7%減(2人以上の世帯)となっている。

3党合意の際の自民党総裁だった谷垣禎一幹事長は17日の記者会見で、3党合意は「決して今の経済状況とか、それだけではなくて長い傾向、その中でどうしていくかということをにらんで作った」と指摘。公明党の山口那津男代表は22日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、主要3党が決めた増税が予定通り行われない場合は「政治的な信頼は大きく損なわれると思う」と語っている。

景気回復

安倍首相はこれまで、経済再生と財政再建の両立を目指す考えを示してきた。15年10月からの消費再増税については7-9月期の経済指標などを見て、最終判断する方針。

柴山氏はインタビューで、「財政再建の大前提条件が景気回復」と話し、引き上げにより景気が後退するならば「勇気をもって先送りをすることが必要」と述べた。経済指標がどのような状態ならば予定通り実施できるかとの質問には、「駆け込み需要と反動減をフラットにして考えて、それ以前からの個人消費が着実に回復する見込みであれば」予定通りの増税が可能と答えた。

今後の財務金融部会としての対応については、政府が11月17日に7-9月期の国内総生産(GDP)速報値を発表した後、月例経済報告などの説明を受けた上で、着実な景気回復の状況が見極められるかどうかを確認し、「部会として何らかのアクションを起こすかどうか判断したい」と語った。

政府が「数年で20%台」への引き下げを予定している法人実効税率について柴山氏は、「消費税の引き上げを先送りしたら法人税の引き下げはなしだと、セットで議論されるのは困ったこと」と語り、法人実効税率の引き下げは「いかなる形であれ着実に行うべき」との考えを明らかにした。

内閣支持率  

小渕優子前経済産業相ら2閣僚辞任などによる内閣支持率の低下により、増税は一層難しくなっているのではとの質問には、「現在の水準はまだ内閣改造が行われる前の水準に戻ったくらい。支持率が大きな政策決定要因となる状況ではまだない」との見方を示した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 高橋舞子 mtakahashi61@bloomberg.net;東京 Isabel Reynolds ireynolds1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Andrew Davis abdavis@bloomberg.net広川高史, 淡路毅

更新日時: 2014/10/28 17:22 JST

 
 
 
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