[山田厚俊]【大手メディアは猛省すべし!】〜「小渕優子経産省デタラメ政治資金問題」で週刊誌に出し抜かれ〜
Japan In-Depth 10月19日(日)9時57分配信
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ぶれる札束 |
10月16日、永田町では与野党議員、秘書、政治部記者などが、さまざまな名前を挙げて持論を展開していた。『週刊新潮』10月23日号のトップ記事、「『小渕優子』経産相のデタラメすぎる『政治資金』」は、2010年と11年に支援者ら向けに開いた「観劇会」で、費用の一部である計約2600万円を小渕氏の政治団体が負担していた疑いがあると指摘。
主要閣僚の「政治とカネ」の問題で、発売当日から各メディアも取り上げ、野党も早速追及の狼煙を上げた。小渕氏は18日、辞任の意向を固めたと伝えられ、早ければ20日にも辞任すると見られている。
冒頭の言葉は、その“ネタ元”が誰かを、ウワサしているというものだ。しかし、『週刊新潮』編集部の一人は、飄々とこう語る。「特別なネタ元があったわけではないんです。ちょっと調べたら、たまたま大ネタにブチ当たった。出会い頭の一発で、運が良かった。」
内閣改造人事が発表された9月3日、目玉人事となる小渕氏の政治資金収支報告書を取り寄せ、じっくり精査したところ、収支が合わないことは一目瞭然だった。しかし、編集部内では「新聞やテレビ各社の社会部は、とっくに調べているから、そんなことはないだろう」と、当初は疑心暗鬼だったという。
しかし、どう見てもカネの出と入りは大きく違う。そこで、領収書のコピーを情報公開制度を利用して請求。3週間かかって入手したコピーを見て、愕然としたというのだ。その後、地元後援会関係者など取材して今回の記事に至ったというわけだ。
つまり、「各社の社会部は何も取材をしていなかった」(前出・『週刊新潮』編集部員)わけである。簡単に出来る取材なのに手を抜いていたことに他ならない。多くの人員をさき永田町を取材しているにもかかわらず、週刊誌に抜かれた大手メディアは猛省すべきだ。ぼく自身も自戒の念を込めていえば、やるべきことをやっていなかったと指摘されても仕方ないことなのだから。一方、『週刊新潮』編集部には「天晴れ!」と素直に言いたい。
山田厚俊(ジャーナリスト)
最終更新:10月19日(日)9時57分
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