長野県知事 捜索隊員をねぎらう10月17日 12時32分
御嶽山のことしの捜索が16日で中止になったことを受けて、17日にふもとの王滝村で、長野県の阿部知事らが行方不明者の捜索にあたった隊員たちに対し、「過酷な環境の中、全力で活動してくれたことに心からお礼を申し上げたい」とねぎらいのことばをかけました。
捜索活動で臨時のヘリポートとして使われた王滝村の公園には、17日朝、警察や消防、それに自衛隊など200人余りが集まりました。
隊員たちを前に、阿部知事は「大変過酷な捜索救助のなか、ご家族の思いにしっかりと寄り添い、全力で活動してくれたことに心からお礼を申し上げたい」とねぎらいのことばをかけました。
このあと、阿部知事らは、隊員を乗せた車両に向かって一台ずつ頭を下げて「ありがとう」と言いながら見送りました。
戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火では、警察や消防、それに自衛隊から延べ1万5000人余りが投入されて捜索が行われ、56人の死亡が確認されましたが、県の対策本部では7人の行方が分かっていないとしています。
長野県では、来年の春以降、噴火や雪解けの状況などを見ながら捜索再開の時期を判断することにしています。
官房長官「知事の判断を尊重」
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「捜索活動の現場は、噴火活動や降灰、火山性ガス、さらに積雪もあり、気温も氷点下と過酷な状況だ。命懸けで捜索活動を行っている消防や警察、自衛隊をはじめ、関係者の安全確保にも万全を期さなければいけない状況であり、長野県知事が苦渋の判断をされたのだと思う。政府としては知事の判断を尊重し、これからもしっかりと協力、支援していきたい」と述べました。
防衛相「残念だが状況厳しい」
江渡防衛大臣は閣議のあと記者団に対し、「自衛隊は警察や消防と連携しながら、延べおよそ7000人が捜索救助活動に当たってきた。行方不明者がまだ7人いるなかで撤収せざるをえなくなったことは残念だが、冬に向かって山頂などの状況が非常に厳しくなるなかで、自衛隊だけが活動を続けるわけにはいかない。春になったらまた自衛隊としても協力していきたい」と述べました。
捜索に参加した警察官や消防隊員は
関東管区機動隊長野中隊の浅岡真中隊長は「ご家族への思いを果たそうとやってきたので、申し訳ない気持ちです。視界が悪く火山灰などで常に安定しない状態で苦労したことが印象に残っている。初めての経験でしたが、今後も起こるという想定をもって訓練に当たりたい」と話していました。
また、長野市消防局の消防隊員の1人は「悔しいです。行方不明者全員を連れて帰りたかったです」と話していました。
岐阜県の消防隊員の1人は「行方不明者の人を助け出せず断腸の思いです」と話していました。