前編から引き続き、「Moff Band」を開発する「Moff」の共同創業者 / 取締役エンジニアの米坂元宏氏に「Kickstarterを活用した資金調達の裏側」についてのお話を伺います。「Moff Band」は、世界最大規模のクラウドファンディングサイトKickstarterで目標金額の約4倍となる7万8800ドルの支援額をわずか48時間で達成し、日本国内だけでなく世界中で話題となっている。
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Kickstartar を活用した資金調達の裏側とは
なぜ資金調達先にKickstartar を選んだのか
Kickstarterを選択したのは、『ハードウェア製造のためのまとまった資金を調達する』という理由もあるが、それよりもKickstarterを利用したマーケティング手法や、話題性に着目していた、と米坂氏は語る。「Moff Band」は世界への進出を前提としており、Kickstarterで成功すれば、日本国内だけでなく、アメリカなどの英語圏を中心に大きな話題となることができる。
Kickstarterでのプロジェクトを成功させるために
Kickstarterのプロジェクトは、半分以上が話題になることなく資金調達に失敗している現状がある。そこでMoff は類似するプロダクトの成功事例をベンチマークにし、Kickstarterでの成功要因を研究を行った。重要となる要素は、目標額の設定、コンセプトムービーの構成、 プロジェクトの公開時期、プロダクトのメッセージ性、開発者の顔を見せる、Kickstarterのガイドラインに準拠しているかなど多岐にわたる。そして、資金があればすぐに制作および販売ができる状態であることをアピールし、ユーザにプロダクトを使っているシーンをイメージさせることが、ファンディングを成功させるために必要であると、米坂氏は語る。
資金調達成功後のKickstarterの活用
Kickstarterのウェブサイト上では、資金調達成功後も、支援者から多くのアドバイスや要望、疑問が投稿されている。支援者とのコミュニケーションを密にすることで、一般への発売前に「Moff Band」に対する市場の反応を得ることができ、プロダクトの機能やデザイン、広報戦略に活かすことができる。また、Kickstarterで資金調達が成功したという事実は、「Moff Band」が市場のニーズを満たし、十分な期待を得ている証拠となり、以後の広報やさらなる資金調達に活用することができる。
国内の支援者との交流
Moffは定期的に「MoffBand」を実際に遊んでもらって意見を交換する親子体験会や、国内の支援者を対象としたユーザ体験会などを開催している。実際に体験してもらうことによって、ユーザが切実に欲している機能やサービスを汲み取ることができ、「ユーザにとって価値があるものを作る」という視点から、技術的に難しい内容であっても、実現しようという原動力となる。
「Moff Band」の先に Moff が目指す未来とは
Moff はミッションとして「More Computers More Natural」を掲げている。人とコンピュータとの関わりをより自然にすることを目指し、コンピュータを開発者だけのツールではなく、子どもにもわかりやすいものにしたいと米坂氏は語る。そのための必要なデバイスとして「Moff Band」が誕生し、まずは「おもちゃ」としての普及を目指す。ソフトウェアを入れ替えれば、おもちゃ以外にも、ライフログの取得や生活支援、コミュニケーション支援、業務支援など様々な用途で利用できる。今後は「Moff Band」で取得したセンサ情報の解析プラットフォームを立ち上げるなど、人間とコンピュータの関わり方を変えるために、「おもちゃ」から始まる「ナチュラルユーザーインターフェースデバイス」の実現を目指していく。
左: 米坂元宏氏(Moff 取締役 兼 CTO) / 右: 高萩昭範氏(Moff 代表取締役)
「Moff Band」は2014年10月15日に発売が予定されており、国内ではAmazonから予約が可能。国内だけでなく、全世界から期待が集まるウェアラブルおもちゃ「Moff Band」に、今後も注目して行きたい。
▼引用元
Amazon.co.jp: Moff Band (モフバンド) ウェアラブル おもちゃ / スマートトイ iPhone iPad 対応: おもちゃ
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