香港の抗議活動 対立深まる懸念も10月2日 15時20分
学生や市民の抗議活動が続く香港では、学生団体が、香港政府トップの行政長官が辞任しなければ活動をさらに拡大させると警告するなか、香港政府の建物の周辺に学生らが集まって座り込むような動きも見られ、対立が深まる懸念も出ています。
香港では、行政長官選挙の改革で市民の直接選挙を導入する一方、中国の体制に批判的な民主派が事実上、立候補できなくなったことに抗議するデモが続いています。
中国の建国記念日で祝日だった1日夜は、学生だけでなく幅広い世代の市民など、最大規模とみられる数万人が中心部の幹線道路を占拠しましたが、朝までには多くの人が自宅などにいったん戻り、座り込みを続ける市民らを警察が排除する動きも今のところ見られません。
しかし、抗議活動の中心的な役割を担っている学生団体の幹部は1日、香港政府のトップ、梁振英行政長官が2日夜までに辞任しなければ新たに政府施設を包囲するなどと警告し、2日、数十人の学生や市民が警察官が警備する行政長官のオフィスの近くに集まって座り込むような動きも見られます。
これまで梁長官は辞任する考えはないとしていますが、香港は2日も祝日となっているため、夜に向けて再び多くの市民が抗議活動に参加することが予想され、政府と市民側の対立が深まる懸念も出ています。
ロンドンでも抗議活動
香港で民主的な選挙を求める抗議活動が続くなか、かつて香港を統治していたイギリスの首都ロンドンでも1日、中国大使館の前で抗議活動が行われました。
抗議活動は以前、香港で民主化運動を行い、現在はイギリスに住む人などが呼びかけたもので、数百人が集まりました。
集まった人たちは「求めているのは民主主義だ」と声を上げ、「香港に民主主義を」などと書かれたプラカードを掲げて、民主的な選挙の実施を訴えました。
ロンドンに住む元教師の女性は「民主主義は基本的な人権の1つだ。中国とイギリスの双方が交わした協定があるのだから、イギリス政府には人権に関わる問題にはもっと意見を言って中国に圧力をかけてほしい」と話していました。
また、香港からの留学生は「私だけでは何もできないが、集まったみんなの力を信じている。私たちは政府を恐れてはならず、政府こそ私たちを恐れるべきだ」と話していました。
国外テレビ局のニュースを遮断
中国大陸では、2日も国外のテレビ局が香港の抗議活動に関するニュースを伝えるたびに放送が遮断されています。
このうち、NHKの海外向けテレビ放送「ワールドプレミアム」が日本時間の2日正午すぎに香港での抗議活動に関するニュースを伝えると、すぐに映像や音声が遮断され、2分近く画面が真っ黒になりました。
イギリスのBBCやアメリカのCNNテレビも同様で、中国当局が香港情勢に神経をとがらせ、情報を統制しているものとみられます。
一方、国営の中国中央テレビは、香港の住民のインタビューとして「私たちも中国人の1人だ」とか「中国は偉大だ」といった声を伝えたり、香港で中国の国旗を掲げる人や国歌を歌う人たちの様子を紹介したりしていますが、抗議活動自体の映像は一切使っていません。
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