学習塾が果たす役割は、学力向上だけかというと、実はそんなことはないと思います。将来学習塾はいろんな社会的役割を担うことができる可能性を多大に秘めています。子ども達にとって、学校を補完する学習塾で過ごす時間で、ものすごく豊かな時間を得ることができるんじゃないか、そんな夢や希望があると思うのです。
そこで、岡山県にお住まいの保護者の方から、学習塾が果たせそうな役割や、学習塾に期待することについてお伺いしてみました。
取材協力者:岡山県在住、主婦、お子さま2人(中学生女子、未就学児)
学童保育や登下校用のバス運行
とても悲しい事件が後を絶ちません。子どもを危険から守るため、学童保育施設としての役割も果たせると思います。また、お持ちのバスなどを朝夕の学校の登下校時に活用いただくなど、地域に密着しているからこその社会貢献ができるのではないかと思います。遠方のお子様や集団登下校する仲間がいない場所に住んでいる子どもの危険を減らせるかもしれません。
夕食サービスで保護者の就労支援
いったん家に帰って早目の夕食をとってから学習塾や進学塾に通っている子どもも多いと思います。保護者の皆さんは、朝の忙しい時間に、夕食用のお弁当を準備したり、早目に夕食の準備をされたりと忙しくされていると思います。時にはカップラーメンしかおいていけなかった、という話も聞きます。家庭的な温かく栄養バランスの取れた夕食を学習塾で食べることができると、特にお仕事をされている方にとっては、ありがたいと思います。
コミュニケーション・交流スキルの育成
最近の子どもたちはとても忙しいように思います。現在は岡山県に住んでいますが、自分が東京で学生生活を過ごしていた時は、もっとゆったりしていたような気もします。友達と遊んだり交流したりというコミュニケーションスキルが若干心配。進学塾は難しいかもしれませんが、学習塾などでは、子ども達の発信力や人と交流する力など、社会に出てから必要となる力を育むような授業の進め方を意識してもらえると嬉しいです。
いじめ・家庭内の問題などで居場所のない子どもの支援
いじめをうけている子どもが、学習塾では同じ学力向上を目指す仲間に出会えて、楽しく過ごせていることもあるようです。逆に、どうしても家で居心地の悪さを感じる子ども達も思春期ならあるかもしれませんが、そんな時にも学習塾がよい居場所になることも考えられるのではないかと思いました。学校やおうちで色んな問題を抱えている子ども達の支援策の一つとして、費用面などの心配なく学業に集中できる学習塾での時間を提供するのもいいかもしれません。
取材後のご感想
思ったままの話なので、参考になるのかどうか心配です(笑)いち主婦の気持ち、意見としてお役にたてればいいのですが。いろいろ思いつきますが、学習塾や進学塾だけでやるのは難しいと思いますので、自治体や国などの政策として、学習塾や進学塾のインフラを活用する方法を取り入れられると面白そうですよね。
今回は、特に一般の方の率直なご意見をお伺いするよい機会になりました。実際に、通学時に利用してもらうバスを運行している個人の学習塾経営者の方もいらっしゃいますし、発達障害児や知的障害児を専門に学習塾をひらき、自尊心や計画性、コミュニケーションスキルなども含めて強化するようにしている学習塾もあります。
学習塾は地域や社会の大きな期待を受けていることを実感するとともに、今すぐに実現できなくても、将来的に豊かな子ども達を育てる社会をつくるための基盤になるような役割を意識していくべきだとも感じました。
今回、快く取材にご協力頂きました岡山県在住の、お二人のお子様がいらっしゃるお母様、本当にありがとうございました。