2014J1リーグ第25節FC東京vs徳島ヴォルティス@味スタ20140923
うす紅の秋桜が秋の日の♪。コスモスではなくリアルな秋の桜、ジュウガツザクラでございます。野川公園のジュウガツザクラは、例年ちょっとあわてんぼさんです。
早秋の花が綺麗です。
本日は毎年恒例テディベアデーです。テディベアデーを霞ヶ丘で開催してたときに一度当選しまして、ウチには白い可愛いテディがおります。以来、落選続き。ちなみに今日もダメでした。
テディベアデーはアウェイのサポさんも楽しみなんじゃないかと思います。ことしラッキーに博したのは、徳島サポさん。
ゴレアーダでした!。これで13試合連続無敗。勝利は5試合ぶり。ゴレアーダは8月23日の浦和戦がありますけど、勝利となると8月2日清水戦以来です。5月のアウェイ戦が悔しいスコアレスだったので、ゴレアーダで溜飲が下がりました。
東京は川崎戦とまったく同じスコッドです。GKは権田。CBはモリゲとカズ。SBは徳永と宏介。3CHは右から羽生、秀人、ヨネ。トップ下に河野。2トップはエドゥーとよっち。
徳島はスーパーコンサバティブな5バックです。5-2-3。GKは長谷川。CBは右から清水から来た村松、斉藤、広太朗。ボランチは右にハマタケ左にエステバン。WBは右に大崎左にアレックス。WGは右に津田左に一輝。1トップは高崎です。
徳島はシフトだけでなく、作戦もスーパーコンサバティブでした。5+4で高崎だけ前線に残した守備陣形を保ちます。しかもその高崎も東京の攻撃が始まると自陣に帰ります。守備陣形をしっかりセットすると、東京の高速カウンターを封じるために、起点となる中盤に対しボランチの一人がプレスします。これで東京の攻撃を外へ外へと散らさせます。
とは言え、徳島のシフトは少し歪でした。大崎が最終ラインと二枚目の中間あたりに位置取ります。なので完全な2ラインではありません。このため大崎の背後にスペースができます。東京が意図したかどうかはわかりませんけど、必然的に前半の攻防は左サイドが主戦場になります。穿った見方をすると、もしかするとこれは徳島の誘いだったのかもしれません。徳島の攻撃パターンは左右のサイドアタックのみ。WBからのクロス、もしくは一輝がスピードを活かした突破からのクロスに高崎、津田が飛び込みます。左右両方で東京を脅かすというわけにはいかないので、右に絞ったのかもしれません。東京もどちらかと言うと宏介のほうがアグレッシブですから、宏介を誘い込み、その背後を津田、一輝に狙わせようとしたのかもしれません。
小林さんの意図は確認できませんでしたけど、結果的には東京がリズムを掴むことになります。徳島のCBはエドゥーとよっちに体を張ってマークし、自由にさせません。斉藤がエドゥーをマークしポストを許しませんし、よっちには広太朗と村松がつき、スピードを活かさせませんでした。東京は左に活路を見いだせたわけですけど、ひとえに宏介とヨネのクオリティが成し得たと思います。ただ、やはり徳島はペナルティエリアでの中央は堅く、クロスを送ってもシュートに結びつきません。
徳島は攻撃もコンサバティブです。ターンオーバーすると、なにしろエステバンに預けます。エステバンは徳島のなかにあって際立って異質です。ボール捌きと体の使いかたが上手く、東京の選手が寄せてもボールを奪われません。とにかくエステバンのこの安定感を活かすことが、徳島の唯一の活路だったと思います。エステバンがボールを持てますから、ハマタケが前目に位置取り、ボランチは縦の関係になります。
もうひとつ徳島の攻撃で目を引いたのは高崎のポストプレーです。徳島がターンオーバーした後のファーストプレーは、高崎を目掛けたロングフィードです。高崎にポストが納まるので、それなりに攻撃の形を作ることができます。前半何度か、パスを繋いでアタッキングサードまで進出していました。ただ、大崎とアレックスから有効なクロスを送れなく、シュートまで持ち込むまでに至りません。最終的に徳島はシュート2本でしたけど、この数字がいまの徳島の現実を如実に表しています。
徳島は精一杯のプレーだったと思いますけど、東京は圧倒的な戦力差がありつつ煮え切らない状況が続きます。正直に言うと、先制するまでは相当つまんない試合でした。エドゥーが徳島のミスからGKと1on1になるビッグチャンスを逃し、また川崎戦の再現かとヤキモキしていたところ、ようやくようやくゴールをこじ開けたのは、やはり得意の高速カウンターでした。
前半33分。徳島がハマタケを絡めてショートパスが珍しく繋がって東京ゴールに迫りますけど、ペナルティエリアで秀人がクリア。このボールがラインを割らず、よっちが拾います。左ライン際でよっちは村松をドリブルで振り切り、インサイドに寄ります。エステバンに近づいたところでルックアップ。逆サイドを駆け上がる羽生にパス。徳島陣に入ります。羽生はパスを受けドリブルしながらルックアップ。この時前線はまだアタッキングサードに入っていません。真ん中に河野がいて斉藤が見ています。よっちがそのまま上がっていて村松が追い、前に出ています。そのさらに外にヨネが上がっていて大崎が見ています。右サイド広太朗の背後にエドゥーが潜んでいます。羽生にはエステバン、アレックス、高崎がつきます。5on7。数的には徳島が有利。ただチャンスの目は忍者エドゥーにありました。羽生がこの状況を見逃しませんでした。羽生の選択はエドゥー。足元で受けたエドゥーは、寄せてきた広太朗と1on1を仕掛けます。ペナルティエリアに入って一気に縦に加速します。この時ゴール前は、ニアに斉藤、ファアに村松がいますけど、いずれもボールを見ていて虎視眈々と狙う河野とよっちが近づいているのに気づいていません。ペナルティエリアに入り、局面が3on3に変化しました。エドゥーが広太朗を振り切り、ゴールライン際でルックアップ。完全にボールウォッチャー化した斉藤と村松の背後を河野がとっています。エドゥーはマイナスのピンポイントクロスを河野に送ります。河野は当てるだけ。3人の素晴らしい仕事が結実しました。東京1-0徳島。
これでまず、エドゥーが息を吹き返します。ゴールではないですけど、流れのなかでゴールに大きく貢献したことで、にわかに自信を取り戻したのかもしれません。しかもそれが、エドゥーらしいパワフルなプレーだったことも好影響だったと思います。エドゥーが躍動しはじめます。それとともに、東京の攻撃が活性化しはじめます。ようやく東京がイニシアチブを握り、前半はこのまま終了。
後半に入り、まずミステルは守備をアジャストします。秀人を高崎にマークさせます。前半高崎のポストから何本か有効なアタックがあったので、危機回避だと思います。これが奏功して、徳島の攻撃はまったく機能しなくなります。以降、小林さんが打ち手を施しますけど、攻撃のリズムが戻ることはついにありませんでした。
この結果的に3バック気味になる作戦は、付加価値を生みます。徳永と宏介が高く位置取れるようになり、徳島のWBを封じこめることができました。徳島の攻撃はサイドアタックしかないので、これで完全に死に体になります。そして結果的に試合を決定付けるゴールが生まれます。
後半7分。羽生からの縦パスを徳島陣深くで受けた河野が、ゴールラインでマイナスのクロスを折り返します。そこにエドゥーがいました。エドゥーは広太朗と絡みながらボールをキープ。さらにシュートに持ち込もうとしたところで長谷川に阻まれ、これがペナルティとなります。エドゥーは自身でPKを決めました。東京2-0徳島。
徳島は、東京の守備のアジャストでまったく攻撃が機能しなくなります。攻めるしかなくなった小林さんが先に動きます。津田に代えて小暮、一輝に代えて那須川を同時に投入します。同時に布陣を変更します。小暮は右WB、那須川は左WBに入ります。WBのアレックスと大崎はそれぞれ一枚上がってWGに入ります。大崎はWGというより高崎と並んでトップに張り、前線が2トップ+アレックスのような形になります。大崎はサイドプレイヤーとしてはクロスに精度と威力がないので魅力が半減しますけど、前線にいるとトリッキーなプレーもあり、よい活きてくるんじゃないかと思います。
2点差がつき、徳島のシフトと布陣の変更にも対処し、試合が安定してきましたので、ミステルがテストモードに入ります。エドゥーに代えて千真を投入。何ども言うようですけど、相太離脱後の東京は、アタッカーの選択に悩んでいます。いまのスターターで点はそれなりに取れていますけどベストではない。競争は大切です。千真の可能性もチェックしておきたかったということでしょう。そしてさっそくテストの結果が出ます。
後半32分。自陣深くでアレックスからボールを奪った徳永が、フォローに来た羽生にパス。羽生はターンするとする前方の河野に長めのパスを送ります。東京自慢の高速カウンターのスイッチが押されました。危機を察知した斉藤が長駆上がってプレスしますけど、河野はコンタクトに動ぜずボールをキープ。さらにハマタケが迫る多重プレスをも河野はかいくぐり、ドリブルで右サイドに流れながらルックアップ。前線では斉藤が飛び出したスペースをよっちが狙っています。徳島陣に入り、河野はよっちにロングスルー。これが決まります。抜け出したよっちはドリブルでアタッキングサードに入ります。広太朗と村松が背後から寄せてきますけど、落ち着いて左に持ち出します。ペナルティエリアに入り、広太朗と長谷川が体ごとぶつけに来ますけど、冷静にゴールに流し込みました。東京3-0徳島。
チームとしてのみならず、興行的にも大きな意味があるゴールだったと思います。メディアに出ずっぱりで注目されるなか、きちんと結果を出すのですから、相当なプレッシャーがあると思いますけど、よっちはやっぱり凄いです。リスペクトです。今日初めて味スタに来られたかたには、ぜひまたよっちを観に東京の試合に足を運んでほしいと思います。
このゴールの直前に小林さんが動こうとしていました。ゴール後に認められます。アレックスに代えてキム・ジョンミンを投入。同時にシフトを変更します。サイズのある高崎とジョンミンを2トップに並べ、大崎をトップ下に置きます。が、あまり有効ではありません。
直後にミステルも動きます。さらなるテストを実施します。河野に代えて梶山を投入。今日はそのままトップ下に入ります。この交代で試合がダイナミックに変化します。梶山が入ると、もしかするとチームメイトに安心感が生まれるのかもしれません。梶山は、効率的に仕事できるスペースを見つけながらバイタルエリアをふらふら浮遊していて、それほど大きくクイックに動き回るわけではありません。これが、ビルドアップの良い目標になっているのかもしれません。加えて、言わずもがなですけど梶山は、コンタクトを受けてもほとんどボールを奪われません。ゆえに、なにしろ梶山に預けておこうという流れが生まれます。このことが、今日は好循環になります。さらに前線の配置に工夫をしていたような気がします。千真とよっちは開き加減に位置取ります。真ん中の高めに梶山がいます。流れのなかでは梶山がトップにいるように見えるときもありました。いわゆるゼロトップ。これが非常に機能します。前線の第三の組み合わせとして、もしかすると期待できるかもしれません。
同時に守備のシフトも変更します。今度はきちんと秀人を真ん中にした3バックになります。高崎とジョンミンはモリゲとカズが見て、トップ下に入って活きがよくなった大崎を秀人がケアします。これでさらに守備が安定し、徳島の得点の匂いが皆無になります。東京は中盤をも完全に支配します。ヨネが躍動します。攻撃の流れがよくなったので、徳島のパス出しを読めるようになったのでしょう。加えてエステバンの動き方にも慣れたのかもしれません。
ミステルはさらにテストを進めます。よっちに代えて二種登録したばかりの渉をJリーグデビューさせます。デビュー戦としては理想的です。千真が右に移り、渉は2トップに一角として躍動しました。
東京がパーフェクトにオーガナイズする展開になったので形として残せるといいなと思っていたら、理想的なゴールが生まれます。
後半アディショナルタイム。長谷川がエステバンに送ったゴールキックを徳島陣でヨネがカット。ダイレクトで前方の梶山に送ります。梶山の背後には斉藤がいましたけど、まったくマークにつけてません。梶山をフリーにすると危険です。梶山は左足でトラップしながら状況を確認。中央を千真がどフリーで上がっています。斉藤と同じく広太朗もまったく千真を見れてません。梶山は右足でスルーパスを送ります。千真は右足トラップで左に流し長谷川を大きく動かしておいて躊躇なく左足を振り抜きました。東京4-0徳島。
千真が期待に応えてくれました。以降も東京がオーガナイズし、安定感を保ったまま試合終了。ひさしぶりに眠れない街を聴くことができました。東京4-0徳島。
やっぱりゴレアーダは無条件に楽しいです。川崎戦のように内容で上回ったとしても、ゴールが入ると入らないとでは楽しさは全然違いますから。とくにいまの東京が置かれている状況は、新規のお客様をホームゲームに呼ぶ大チャンスですから、分かりやすく勝つ、しかも楽しく勝つ試合をもっと見せる必要があると思います。今日は東京を観に来たすべてのお客さんが大満足な試合だったと思います。
とは言えリーグ戦線に戻りますと、3位鹿島まで勝ち点7差。夏の上位5連戦を1勝5分で終えて、負けなかったとは言え十分満足とは言いがたい成績でしたけど、まだACLの権利は遠のいたわけではありません。取りこぼしのないよう、今日のようにしっかり結果を残し、くらいついていって欲しいと思います。
コメント