シリア:クルド人避難7万人に…イスラム国攻撃
毎日新聞 2014年09月21日 20時53分
【カイロ秋山信一】イスラム過激派組織「イスラム国」がシリア北西部の要衝アイン・アル・アラブ周辺のクルド人居住地域への攻撃を強め、国連によると、19日以降にクルド人住民ら約7万人がトルコに避難した。戦闘は21日も続いており、避難民はさらに増えそうだ。イスラム国が制圧した村落でクルド人を処刑しているとの情報もあり、民族浄化の懸念も強まっている。
在英の民間組織「シリア人権観測所」によると、イスラム国は16日からアイン・アル・アラブ周辺のクルド人居住地域を一斉に攻撃し、クルド人民兵組織「人民防衛隊」との間で激しい戦闘が続く。
イスラム国は60以上の村落を制圧し、子供を含む十数人の住民を処刑したという。イスラム国は、イラク、シリア両国で敵対するクルド人に「背教者」とのレッテルを貼って敵視している。
クルド人指導者は地元メディアに対し、イラク北西部シンジャルで8月に多数のヤジディー教徒がイスラム国に殺害された事例を引き合いに「悲劇が繰り返されようとしている」との懸念を示した。