スコットランド独立住民投票 双方が支持訴え9月14日 6時43分
イギリス北部のスコットランド独立の賛否を問う住民投票は、接戦が伝えられるなか投票日前の最後の週末を迎え、主要都市の繁華街などでは賛成派、反対派、双方の運動員らが支持を訴えました。
スコットランドでは、今月18日にイギリスからの独立の賛否を問う住民投票が行われる予定で、投票日前の最後の週末を迎えた13日、各地で賛成派、反対派双方の運動員らが活発な運動を繰り広げました。
このうちスコットランド最大の都市グラスゴーの中心部では、双方の運動員らがステッカーやパンフレットなどを買い物客らに配り、熱心に支持を訴えていました。
独立に賛成だという女性は「独立すれば社会によい変化が起き、公平な社会が実現するはずです」と話していました。
一方、独立に反対する男性は、「独立すれば私も友人も失業してしまうかもしれません」と経済が混乱することへの不安を口にしていました。
13日に発表された世論調査では、独立に賛成が54%、反対が46%と賛成派がリードしているものの、逆に反対派が上回っているという別の調査結果も伝えられており、依然として接戦が続いています。
一方で、双方は独立した場合の影響などについて激しい議論を続けていて、独立に反対する企業などが「独立すれば経済に悪影響が出る」などと警告する一方で、賛成派は「大企業による脅しには屈しない」などと反論しています。
双方は18日の投票日に向けて、態度を決めていない人たちの支持を得るための最後の追い込みをかけるものとみられます。
「自前の税制で社会保障充実」
独立を主張する「スコットランド民族党」は去年、670ページに上る白書を発表しました。
この中で、自前の税制や北海油田の税収によって、子育て支援や年金など社会保障を充実させ、環境に優しい北欧型の高福祉社会の実現を目指すとしています。
また、非核化を進めるとして、スコットランドの港を母港にする核ミサイルを搭載した原子力潜水艦の移転を求めるとしています。
一方で、イギリスの通貨ポンドは維持するとしているほか、エリザベス女王もこれまでどおり、国家元首とするとしています。
英政府「国の信用力が低下」
これに対しイギリス政府は、通貨ポンドの使用は認められないとしています。
また、財政運営の見通しについても、北海油田からの税収は今後、減少が見込まれるうえ、現在、配分されている地方予算がなくなるほか、国の信用力が低下して国債の発行コストが増えれば、先行きは厳しいと反論しています。
原子力潜水艦の移転についても、少なくとも30億ポンド以上のコストが必要だと言われていることから、大幅に時間がかかり、実現は非常に困難だとの指摘が出ています。
賛成上回れば1年半後に独立
スコットランドでは、1707年にイギリスに事実上、吸収される形で併合されて以来、独立を求める声は根強くありました。
今回、住民投票が行われることになったのは、自治の拡大に伴って設置されたスコットランド議会で、2011年に独立を訴える「スコットランド民族党」が、単独過半数を獲得したことがきっかけです。
「スコットランド民族党」のサモンド党首は、独立の賛否を問う住民投票の実施を表明し、協議の末、おととし10月、イギリス政府と合意しました。
住民投票では、「スコットランドは独立国になるべきか」という質問に、「はい」か「いいえ」で答えます。
投票の結果、独立への賛成が反対を上回れば、投票率に関係なくスコットランドは、およそ1年半後の2016年3月24日に独立することになっています。
独立には多くの課題も
しかし、独立に当たっては、経済や外交などさまざまな分野で解決しなければならない課題があります。
まず、使用する通貨の問題です。
独立派は、イギリスの通貨ポンドを使い続ける考えを示していますが、イギリス政府は難色を示しています。
また、イギリス政府の負債や資産、それに北海油田からの税収をどう分けるのかについても合意はできていません。
さらに、外交や安全保障にも影響は及びます。
スコットランドには、核ミサイルを搭載する原子力潜水艦の母港がありますが、独立派は、非核化を進めるとしており、移転先の問題が発生するほか、EU=ヨーロッパ連合や、NATO=北大西洋条約機構への加盟が認められるのかどうかも議論になっています。
また、イングランドやスコットランド、それにかつてのアイルランドの旗を組み合わせてできているイギリスの国旗が変わるかどうかなどについても関心を集めています。
独立反対派は大規模デモ
イギリスからの独立の賛否を問うスコットランドの住民投票が今月18日に迫るなか、独立に反対する市民らが中心都市エディンバラで大規模なデモを行い、イギリスとの連帯を守ろうと訴えました。
スコットランドのエディンバラの中心部では13日、およそ1万人の市民らが集まり、独立に反対するデモを行いました。
デモには、スコットランドと同様に、長年、イギリスとの独立問題を抱える北アイルランドからも大勢の市民が参加し、イギリスの国旗や、反対票を投じるよう呼びかける横断幕を掲げながら町を練り歩きました。
参加した男性は「スコットランドとイギリスは300年もの間、一緒にやってきた。うまくいっていたこの関係を今、壊す必要はない」と話していました。
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