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科学
【iPS移植手術】パーキンソン病も治療へ、臨床次々 臓器を作る研究も
2014.9.12 21:51
iPS細胞を用いた初の移植手術を終え会見に臨む(左から)高橋政代理化学研究所網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダー、栗本康夫先端医療センター病院眼科統括部長=12日午後8時21分、神戸市中央区の神戸ポートピアホテル(頼光和弘撮影)
iPS細胞を使った再生医療の研究は、網膜以外の組織や臓器でも進んでいる。京都大はiPS細胞から作った神経細胞を脳内に移植し、パーキンソン病を治療する臨床研究を来年度にも開始。平成30年度にも京大病院で保険診療と併用が可能な先進医療への移行を目指す。
京大の別のチームは、けがをしたときに出血を止める役割を果たす血小板をiPS細胞で作る研究を進めており、すでに効率的な生産方法を確立。血小板減少症の患者に輸血して治療する臨床研究を来年にも実施する計画だ。
大阪大は心不全治療用の心筋細胞と視力回復のための角膜、慶応大は脊髄損傷を治療する神経細胞をそれぞれiPS細胞から作って移植する計画で、いずれも数年以内の臨床研究の開始を目指している。
移植用の細胞にとどまらず、立体的な臓器を作る研究も進む。横浜市立大は昨年7月、iPS細胞を使って直径5ミリ程度の小さな肝臓を作ったと発表。iPS細胞による立体臓器の作製は世界初の成果だ。
熊本大も大きさが2ミリ程度の立体的な腎臓組織の作製に成功。海外でもオーストラリアなどの研究チームが直径約4ミリの脳組織を作製した。
いずれも基礎研究の段階だが、臓器や組織単位での移植治療が実現する可能性も高まってきた。文部科学省は立体的な臓器の作製技術を33年末までに確立する目標を掲げている。
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