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膨大なデータを蓄えたGoogleのFreebaseを使い、テキサス大学のマクシミリアン・シヒ教授が率いるチームが素晴らしい映像を公開した。
約5分間の映像に、紀元前600年から西暦2012年までに実在した有名な人物120,000人たちの生誕地と死亡地のデータを世界地図でアニメーション化したのだ。ある都市が栄えると、そこに移住する文化人たちの数も増える。文化史に伴う人の移動がよく分かる。
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地図上の青の点は誕生地、赤の点は死亡地を表している。
Charting culture
この地図にはダ・ビンチを含め何百万もの歴史的人物の出生地と死亡地が示されている。紀元前637年アテネで生まれ、紀元前557年にキプロスで死亡した、ギリシャの立法家であり詩人であるソロンに始まり、1992年にロサンゼルスで生まれ、2009年にバハマで亡くなったハリウッド俳優ジョン・トラボルタの息子ジェット・トラボルタまで、実に幅広い有名人物のデータが散りばめられている。彼らの人生の出発点と終着点が美しい映像に収められた作品である。
この映像からは、文化の中心地の移り変わりも見て取れる。ローマの衰退と共に台頭してきたパリ、その後アメリカ大陸の発見に伴いロサンゼルスやニューヨークがスポットライトを浴びるようになる。さらに、この地図は誕生日や死亡日を基に正確な数字が出せる。それを比較することで、ローマに代わりパリが文化の中心地として台頭してきたのは1789年だと推測することもできるのだ。また、フランス革命で死亡したのは芸術家よりも建築家のほうが多かったそうだ。
さらに、彼のチームはある特定の単語や文字の使用頻度を解析できるGoogleのNgram Viewerという分析システムを使い、自分たちのデータを解析した。その時代多く使われていた言葉や単語は、当時の人々の心境を示すという。チームはNgramデータを使用し、文化中心地の繁栄や衰弱に関連したであろう出来事を見つけ出そうと試みた。
また、さまざまな資料から集めた150,000人の芸術家の生誕と死亡のデータを使い似たような実験をした。それによると、フランス革命で死亡したのは芸術家よりも建築家のほうが多かったそうだ。
映像には日本も収録されている。17世紀末には、多くのキリスト教の宣教師が日本を訪れたが、その後迫害されていったという歴史がわかる。
ヨーロッパからの移民が増大した19世紀のオーストラリア。囚人の流刑地としても多くの囚人がヨーロッパから送られた。かの有名な盗賊ネッド・ケリーの父親も当時、ブタを盗んだ罪としてアイルランドから流された。
「すべての道はローマに通ず」と言われたローマ帝国時代に遡る。強力な支配力を誇ったローマに、ヨーロッパ全土から知識人が集まるのが分かるだろう。また、文化の副都心として、スペインのコルドバやフランスのアビヨンやパリにも人が集まっている。
12世紀に入ると、もはやローマに通ずる道はなくなった。人々の移動も各地に広がり、まるで航空会社の就航都市表でも見ているようだ。
フランスの中では、他の都市と比べ圧倒的にパリに人が集中している。逆にドイツに来る人々は一カ所に集中せず、各都市に平均的に散らばっていった。小さな都市も移住地として目立つようになってきた。19世紀に入り人口が増えた南フランスのコートダジュール。
1600年代になると、多くのヨーロッパ人が西を目指し、アメリカにたどり着いた。イギリスから来た毛皮の商人、スペインやフランスの地方統治者、軍人も多くいた。その中には初代アメリカ大統領となったジョージ・ワシントンの曽祖父ジョン・ワシントンもいた。彼はイギリスのエセックス生まれだった。
この頃になると、ヨーロッパの各地から成長の著しいアメリカの都市へ移住する人口が一気に増加する。ボストン、ニューヨーク、ワシントンを見ると誕生を示す青い点より死亡を示す赤い点の方が圧倒的に多いことに気付く。しかし、移動はまた始まる。青い点を見ると、人の流れが川沿いにそって移動しているのが分かる。
18世紀に入り、大陸を結ぶ電車が発明され、実用的な車が開発されると、人々は西海岸へ大移動を始める。1920年代、東海岸ではまだ青い点の方が多いが、著名人たちが西へ移動し、ハリウッドやロスなどの文化中心地で生涯を終えているのは、この映像を見れば一目瞭然だ。そして晩年を楽園で過ごそうと南へ移動する有名人がたくさんいたこともこの映像から見て取れる。
via:nature・原文動画翻訳:melondeau
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