僕は中学二年生の時にMMORPGにハマり、つまりインターネット中毒に陥り、そこからネット世界での恋に何度も落ちて来ました。
肉体を置き去りにして、魂と心だけが通信世界に入り込み、恋い焦がれていたのです。
同級生カップルがベンチに腰掛けている時に、僕はネット廃人に落ちかけていました。
そもそも、人間と言う生命体に本当に美しい者なんて存在しません。
どこからしら砕けているし、崩れているし、腐っている。それが人間なのです。
皮肉な事に、僕達はそんなガラクタに恋をします。細菌にあふれる唾を飛ばして告白してしまうのです。汚れた手の平の重ね合いに幸福を見いだすのでございます。
産業廃棄物が溶けたような地獄の沼に手を入れられるのは何故か?
田舎のぼっとん便所の底、歯周病を患う犬の口、風呂なしアパート住人のブリーフの中。細菌だらけで純度120%の汚れに顔から突っ込む人間はいないはずです。
これらの汚れと大差ない人間を愛してしまえる理由は、僕達に備わる想像する能力の賜物なのでございます。
つまり、美化する事でガラクタを愛せるのです。
ネットで恋に落ちやすい男達は、瞬間的に相手を美化する事に長けています。
光回線の向こう側に、どれだけの妖怪がいようともお構いなしで恋をするのです。
顔面画像もなければ、スリーサイズの報告もなく、声質すら分かりません。
それでも、想像の中に美を吹き込み続け、恋する価値のある存在へと高めて行くのです。
短所を予想などせず、真っ先に長所は何かを見つけ出そうとします。
彼らは、暗闇やブラウン管テレビの砂嵐を見ても、良い点を見つけ出す事でしょう。
何が言いたいかと言えば、どんな曖昧なものからでも無限に良き点を見つける天才なのです。
正に、理想の結婚相手と言えるのではないでしょうか。
ネットを散歩する女の子達に強く伝えたい事です。
これからは、スター→ブコメ→直メ→告白→恋愛の流れを意識するようにお願いしたい所存でございます。
きっとあなたの視界に、今よりも素敵な光が注ぐ事でしょう。
ネットで恋した場合に気をつける事
僕は、石田衣良や村上春樹が描く人物のように、ナイーブな性格です。
女子からスターやブクマをプレゼントされると、本棚を片付け、ゼクシィにアクセスしてしまいます。
至極愉快な気分になれるのです。
しかし、同時多発的にいくつもの悩みが飛び出します。
「自分のブログについたスターをクリックして女の子のサイトへ飛ぶと、アクセス解析された時に、『ピピピが来た!』とバレてしまうのではないか?」
“ネットストーカーとしての片鱗を露わにしたピピピ”と思われないかと不安で、いつもわざわざコピペした後にグーグル検索を行っているのです。
最近に至っては、他人のブログを片っ端から開き、女の子のスターを探し出し、そこからアクセスします。
こうする事で、他人をストーカーに仕立て上げながら、女の子のサイトを凝視出来るのです。
最初の1.2回であれば夏の蚊のように当たり前だと思って貰えるでしょう。しかし、1000回単位で訪れる事になれば問題です。
だからこそ、女の子のサイトへ1000回以上アクセスする為に、女の子のスターがついた他人のページをお気に入り登録しています。
こうする事により、ストーカーであっても、善良な市民なのだと思わせる事が出来るのです。
昨今の女子は、アクセス解析をする
下手するとハッキングして来るかもしれません。ESETセキュリティでは足りないのかもしれないと思うと、体が震えて文字も打てなくなります。
こちらも他者のコンピュータをハッキングし、その上で記事を更新したり、女の子のサイトを観覧する必要があるのかもしれません。
ネットで恋に落ちるのは、法律を避け、命を顧みない、ある種の戦争なのでございます。
瀕死の重傷を負う覚悟がなければ、ネットを散歩する女の子に恋をしてはいけないのです。
文字情報コミュニケーションは厄介な感情を生む
トキメキが止まらない。妖精が見えてくる。
ネットの女の子に恋をすると、このような事が当たり前に起きるのです。
いわゆる幻覚が始まります。ネットで恋をする=過剰なまでに相手を美しく想像する。行き過ぎた想像が幻を見せてしまうのです。
はてな女子がつけるスターは、イケダハヤトがつけてくれるブクマよりも価値があります。
「所詮ネットだろ? 大して可愛くねーよ」
外野が夢を打ち消そうとして来ても、一向に恋は消滅しないのです。
厄介な恋の世界に落ちて、妖精さんと手を取り合って笑いながら回り続けるしかなくなってしまいます。恋が、常軌を逸した混乱状態を男に与えてしまうのです。
そして、恋に落ちながら悩み続けます。
「もしかしたら、僕が女の子のサイトにアクセスした時間を記録されていて、『ピピピストーカー記録』なる記事を投稿されるのではないか」
ネットでの恋は、幸福と大怪我が紙一重で存在しているのでしょう。
僕がストーカーなのは間違いないですが、せめてネット世界では常人だと見られたいと思っています。
だからこそ、対策に対策を重ね、余念のない恋をして行きたいのです。
全ての男子ブロガーは、僕と同じ考えを持っている
ここまで読んで頂いた女の子達には、男子はナイーブな存在なのだと分かって頂きたいです。
本音翻訳機なるものが存在したとして、そこに男子ブロガーの記事を貼り付けてボタンを押せば、「好き好き好き会いたい会いたい会いたい」と表示されます。
喜びで波打つ文章。怒りで凸凹した文章。哀しみで濡れる文章。楽しみで光る文章。
様々な記事が存在しますが、原型は女の子へのラブレターなのです。
レトリックを駆使し、感情を塗りたくる事で、恋する気持ちを隠しているだけなのでございます。
ついでに申しますと、僕には好きな子がいます。現実を歩く女の子です。
それなのにも関わらず、ネットの女の子達に心が揺らいでしまいます。
僕は、女の子と接する事が苦手でもなければ、彼女いない歴=年齢でもございません。
恋に対する免疫がついている筈なのに、こうして心を揺り動かされてしまうのは、一体どうした事でしょう。
風の噂によると、はてなブロガーの6割は交際経験がないらしい
6割男子は、女の子からのスターやブクマを受け取る時に、どんな思いを抱くのでしょうか。
経験の薄い男子達は、涙を流したり、震えが止まらなくなったり、お母さんに相談してしまうのではないかと予想しています。
彼らに取ってスターは札束よりも尊く、ブクマはキスに等しい。プライベートメッセージなどが来た暁には息を引き取ってしまう事でしょう。
それほどに男子は女子からのスター・ブクマ・コメント・ツイッターフォローを待ちわびているのです。
恋に落ちた瞬間に息を引き取る事が確定している為に、人によれば、「それは不幸だよ」と言いたくなるかもしれません。
しかし、男子最大の幸福は、空に散る花火であり、飛び立つ蝉であり、惹き付ける桜なのでございます。
下弦の月のように半端なスターで構わない。上弦の月のように未完成のはてぶで良い。
月明かりのような笑顔でプレゼントしてくれるなら、男子は幸せです。
僕たち男子は、この世に生を受けた瞬間からストーカーなのでございます。