成田空港:バードストライク、タカで防げ…鷹匠協力し実験
毎日新聞 2014年08月11日 20時51分(最終更新 08月12日 00時20分)
野生の鳥が離着陸時の航空機に衝突する「バードストライク」を防ぐため、成田空港で11日、タカを使って鳥を追い払う実験が始まった。鷹匠(たかじょう)の協力を得て17日まで行われる。国土交通省によると、国内での実験は16年ぶりで、効果があれば本格導入も検討する。
この日は千葉県旭市の鷹匠、町田英文さん(46)がタカを左腕に乗せ、滑走路脇を見回った。今後はバードストライクの多いB滑走路の北側を朝夕の2時間ずつパトロールする。
成田空港のバードストライク報告件数は2013年度に115件と、10年前の6倍以上。猟銃による駆除を2年前から始めているが、効果は限定的という。
町田さんは「タカを腕に止めて歩くだけで野鳥は滑走路に近づかなかった。効果はあると思う」と話した。
バードストライクはB滑走路の暫定供用を開始した02年ごろから増加。09年に延伸するとさらに増えた。市街地に近いA滑走路に比べて自然が豊かなことが原因とみられる。
同省によると、1997年に高知空港で、98年には羽田空港でハヤブサを使って同様の実験が行われたが、費用の問題などから正式導入されなかった。【早川健人】