どもはじめまして。ディレ協関西支部の担当しんがきです。
Webキャンパス「schoo(スクー)」でも登壇した日本ディレクション協会の小嶋 裕亮氏を講師に迎え開催された、開催ゼロディレシリーズの第二段「制作・開発編」のセミナーレポートですね。
今回の資料スライドはこちら
まぁこのスライドを見ればほぼ内容は把握できますが、講師の小嶋さんや参加者の皆さんからいただいた反応などをまとめてお届けしてみます。
コンテンツインデックス
- ディレクションって何やってんの?
- 制作・開発フェーズでディレクションのするべきこと
- ボトルネックは「伝える」部分でおきる
- ディレクターはつくる人じゃなくてまとめる人
ディレクションって何やってんの?
これにはまぁ諸説あるとは思いますが、どんなディレクターさんでも共通してやってる事ってこんな感じではないでしょうか?
- クライアントの要望を聞く
- 要件を定義する
- 開発工程を設計して チームに伝え 進行管理を行う ←今回はココから!
- プロジェクトを完結させる
前回の「設計編」では要件定義まで学びましたが、今回はその続きのお話。
設計フェーズでは...企画・施策という事を考え、ゴールになる指標を設定し、設定した内容の承認を得るための説得材料を整える。というところまでをやりましたが、対して制作・開発フェーズでのゴールとなるのは「プロジェクトを完了させること」そのもの。となっていきます。
やや雑な言い方をすれば「設計でひろげた風呂敷を、いかに畳むことができるか?」てことですね。
制作・開発フェーズでのディレクション
具体的に、制作・開発フェーズでプロジェクトを完遂させるためにディレクターが注力するべきは以下の項目になります。
- 詳細設計
- プロジェクト管理
- 品質管理
- チームビルディング
以下でそれぞれ詳細を噛み砕いて解説してみますね。
1.詳細設計
クライアントからの要望や課題・設計で合意形成得た事項をもとに、画面設計書や遷移図、ディレクトリマップ、コンテンツの概要などを書いた要素成果物となるドキュメントを作成する。
要は口頭だけでなく「要望や依頼をきちんと誰の目にもあきらかな状態に資料化する」ってことです。
2.プロジェクト管理
制作・開発に必要なタスク(やること)を洗い出し表にしていきます。一般的にWBS(Work Breakdown Structure)とか言われてるアレですね。
WBSはタスク名とそのタスクの開始日・終了日がいつなのか?誰が担当するのか?が記載された表と、さらに「いつからいつまで」を横棒でグラフ化したスケジュールシートから構成されています。
こちらは、制作・開発に必要なタスクを「誰がいつからいつまで担当するのかを誰の目にもあきらかな状態にする」ってことですね。
その予定通りに全てのタスクが完了すれば、そのままプロジェクトが完了ってことになるので、予定と日々の進捗と照らし合わせてチューニングしていく...俗に言う「進捗管理」ですね。
ちなみに、スケジュールシートの精度は最初荒め(にしか作れない)んですが、それはそれでOK。本格スタート直前までに徐々にバッファ(余裕)含めて精度をあげていくことが大切になっていきます。
3.品質管理
ディレクターからの依頼に対してデザインやプログラムが上がってくれば、依頼内容と照らし合わせてチェックしていきます。
具体的には以下のような感じ。
事前にチェックする事柄をまとめてチェックシートを作成
⇒ 各セクションへの依頼とセットでチェックシートを共有
⇒ 制作現場とディレクター側とでダブルチェック
4.チームビルディング
ディレクターとしてプロジェクトに関わる以上、「チームをまとめる術」は絶対に必須のスキルとなります。
ここで講師の小嶋さんは「チームをまとめることはイコール、チームの意見をまとめること」と定義。
クライアントを含めた関係者全員をチームとして捉えた上で「全員の意見をうまいことまとめること」こそが最重要なスキルであると教えてもらいました。
で、そこで役に立つスキルとして以下を紹介されていたので、ここでも触れておきたいと思います。
ファシリテーションとモデュレーション
ファシリテーションは皆の意見を出しやすく場を作る手法であり、対してモデュレーションは出された意見をまとめて合意形成をとる手法。
今回の講演では「クライアントも制作メンバーもプロジェクトメンバーとしてひとつにまとめていく」ためのチームビルディングに有効な手法として紹介してもらいました。
細かなテクニック的な部分も非常に分かりやすくありがたかったんですが、何より大事だと感じたのは、結局こうしたスキルを持ってディレクターが何に注力するべきなのか?という点。
言い切ってしまえばそれは「全体を掌握する」こと。これに尽きるとのことでした。
ボトルネックは「伝える」部分
では、「全体を掌握する」スキルとは何なのか?
- スケジュールシートを見ながら締め切りを意識して
- 各タスククの進捗を毎日確認
- 期日迫ったら担当者にアラート投げる
これだけ......?もちろん違います。
ではなにが必要なのか?その「何か」を体験して気づきを得てもらうために講演当日のワークショップでは次のような課題が投げられました。
ワークショップのお題
- あなたはとあるサイト開発におけるディレクター
- 事前に準備したワイヤーフレームのシートを使い、デザイナーにスマートフォン用トップページのデザイン制作を指示・依頼しなければなりません
- 今回設定したのは、キャラもキャリアも違うデザイナー2名
- こんな時、あなたならどう指示・依頼を伝えますか?
ひとまず、ワイヤーフレームをもとに必要素材洗い出して...。デザインのトンマナ決めて...。
そこまではOK。じゃあそれに基づいて指示書を書いたらそれでOK?
毎回同じメンバーでプロジェクトを回してるならそれでもちろんOK。ですが、部署が違う人、ひいては社外の人まで関わるプロジェクトになるとそうはいきません。
- 指示書を受け取る人がどんな人なのか
- 何を指示して、何を任せるのか
- そこまで噛み砕いてようやく伝わる指示書ができる
- 同じワイヤー、同じ指示書でも書く事が違ってきます
そして、そこまで噛み砕く為に必要になる能力こそが、ディレクターに求められる「コミュニケーション能力」なんだとか。
ディレクターはつくる人じゃなくまとめる人
このブログでも以前に書かれていましたが、ディレクターは自分の作業 "だけ" に集中してはいけないんです。
デザイナー、エンジニアの作ってくれる様々な成果物をコミュニケーションでつなぎ、まとめる人でなければいけないんですから、それはある意味当然のこと。
まぁ正直、こうなってくると「また出たよコミュニケーション能力論...w」とか「だからそのコミュニケーションをどう取ればいいんだよ」とか言われそうですね。僕自身、講演を聞きながら同じこと考えてました。
が、講師の小嶋さん曰くその答えはいたってシンプル。
「雑談も大切にして とにかく楽しくやる事」だそうです。
「何やってんのー?」と作業を見に(邪魔しに)行ったり、場所が遠いなら「今もらった資料みてるんですけど、ここってー」などと確認がてらなんてことない電話をかける。
たったそれだけですが、それができるているだけで、プロジェクトのメンバーが判断に迷ったまま作業することもなくなり、その結果、差し戻しも軽減します。
で、そこまでの信頼関係を築けたらなら、不測の事態が起きてもなんとか対応してもらえたり無茶聞いてもらえたり...まぁなんともならん事態がなんとかなるようになるらしいです。
「コミュニケーション」に対し、「それが重要な要素である」という認識があるかないかでディレクターとしての存在意義、力量がかなり変わってくるのではないかと感じ、改めて「コミュニケーション能力の高いディレクター」の大切さと必要性を知ることができた一日でした。
関西にもディレクションの学びの場をつくっていこうかと
ゼロディレ関西編も6月21日(土)の運用編をもって無事終了しました。
これでまずはゼロディレ計3講座が1週したことになるわけですが、2週目、3週目も継続的に開催しますので、「今からでも参加してみたいなー」なんて人も大丈夫です。
まだまだ「"隠れ"意識高い人」がたくさん眠っているのが関西!と思っているので、ディレ協、ゼロディレから、熱い繋がりを繋ぎあって、関西からも「おもろいもん」をどんどん発信していくきっかけの場や繋がりにできればいいですね。
著者:シンガキトオル(日本ディレクション協会関西支部)
お酒のことは好きなのに飲むとすぐにお腹を壊すディレクター
書籍出版記念イベントのお知らせ
『現場のプロが教えるWebディレクションの最新常識』発売記念イベント
著者陣が執筆を担当したトピックのなかからいい感じのメソッドを提供しつつ、書籍では書ききれなかった部分を解説しちゃおう。という割と豪快なイベントです。来てね。
| 日時 | 8月31日(日)14:00~18:00(開場13:40) |
|---|---|
| 料金 | 1,000円(懇親会費別) |
| 会場 | インプレスグループ市ヶ谷セミナールーム(東京都新宿区市谷本村町1-1 住友市ヶ谷ビル9階) |
| 主催 | 株式会社エムディエヌコーポレーション |
あともし良かったらこっちも来てねー
※ディレクターズマニュアルの中の人、ナカムラがやってる運用系ディレクション講座。ワークショップとかもやります。