*

どんなにいい商品でも、その価値を伝えなかったら、いい商品ではないのです。

「お客の心に届くコトバ」は、この視点から生まれる。

以前の記事「販促物と演劇の作り方は似ていると思う」で、いい販促物の作り方というのは、映画や演劇の作り方と同じということを書きました。

映画や演劇を創るときは、次の順番で考えていきます。

1:ラストシーン
2:ファーストシーン
3:ストーリー(内容)

販促物を作るときも、この順番で考えると、作りやすくなるんです。
この三つを販促物に当てはめて考えてみると、次のようになります。

1:読んだ人に、どうしてもらいたいか?(ラストシーン)
2:読んでもらうためのキャッチコピー。(ファーストシーン)
3:販促物の内容。(ストーリー)

カンタンに言うとこんな感じです。

今回は3:のストーリーに当たる部分、販促物の内容です。

商品やお店の『価値』を伝える場面です。
ここで注意しなければいけないことがあります。

どんな価値のある商品も、
どんな価値のあるサービスも、
どんな価値のあるお店も、

その価値が伝わらなかったら、それはお客さまにとって

「存在しない」

ということ。
これを認識する。

あなたが感謝をしたいと思っていても、その感謝の心を伝えなければ、それは相手にとって存在しないと同じことでしょ。
あなたが愛情をもっていても、それを伝えなければ、相手にとってあなたの愛情は存在しないのと同じことなんです。

どんなに素晴らしい商品であっても、
どんなに素晴らしいお店であっても、
伝えなければそれは、存在しないのと同じ。

販促物は、お客さまの心に、あなたの価値を届けるメッセージなのです。

そして価値を伝えるには、これを買うとこんな『体験』がありますよ、という視点が有効なんです。
商品のスペック(仕様・性能や材質などのこと)をストレートに書いてもダメなんですよ。
よくあるでしょ、例えば『シルク100%ブラウス』とか『2500ccエンジン搭載』とか、『1500万画素の高画質』とかね。
そういう書き方ではなく、この商品を買ったら、

どういう体験が得られるのか?
どういう新しい生活と出会えるのか?
どんなライフスタイルを過ごすことができるのか?
どういう意味をもっているのか?
どんな問題解決をしてくれるのか?

こういう視点です。
これを意識して書いていくと、あなたの価値はお客さまに伝わりやすくなっていくでしょう。

たとえば、ボクの塾生さんで鹿児島のホームセンターを経営している社長がいます。
彼が実施して成功した事例です。

園芸用のスコップがありました。
商品名は「プランタースコップ」。
通常の店ではただ単純に「プランタースコップ●●円」としか告知していません。
これじゃ、スペックを言っているだけ。
ああ、プランター用のスコップなんだなで終わり。

それを、使い方を限定して販売してみました。
鹿児島ですから、桜島の噴火で火山灰が多い地域ですよね。
そこに目をつけた。
POPで、この商品が「どんな問題を解決してくれるか」を訴えた。

灰とりならおまかせ。

雨どいにピッタリ!!
きれいにすくえます。

雨どい清掃スコップ(丸型)
398円

雨どいも一緒に展示して、こういうPOPをつけました。
結果どうなったか。

この商品がどういう問題を解決してくれるのかを訴求

商品がどういう問題を解決してくれるのかを訴求

それまで1年間で4本しか売れなかったプランタースコップ。
この売り方で、年間500本近く売れました。

「価値を正しく伝える」

まさにこれが、マーケティングの役割なんです。

ともかくやってみよう。ダメだったら変えればいいんだから。

どうせ、反応が悪い販促物を出し続けるのなら、いつもとはちがう販促物にしませんか。
今までと同じことをやっていたら、な〜んにも変わりません。
なんかしなきゃ、何も進まないのです。

ともかくやってみる。
ダメだったら変えればいいんだから。

さあ、今日からはじめましょう。
販促物を映画や演劇を作るように、作ってみましょう。
きっと素晴らしいハッピーエンドを演出できます!
そしてあなたの商売が、もっともっと輝くはずです!

Let’s Move !

The following two tabs change content below.
藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

関連記事

安いから、品揃えが多いから繁盛しているわけではない
店で過ごす時間を売っている
<那覇のドンキホーテ>

「名詞の経済」から「形容詞の経済」そして現代は?

人々はモノにしあわせを感じていない ここ数年、ビジネスを取り巻く環境が大きく変わりました。 それ

記事を読む

POPで価値に気づかせる
商品をいかに編集するかが大事

これからは「編集」して売る時代

物事を組み合わせる創造力が「編集力」 「編集」っていうのは、何かと何かを組み合わせて新しい価値をつ

記事を読む

既存顧客を大切にするためのヒント満載

新規の客より既存顧客を死ぬほど大切にしよう

売上が下がったり、集客が落ちたりすると、新規客の獲得に目が向いてしまいがちです。 でも、まず既存顧

記事を読む

沖縄の観光スポットを紹介

御菓子御殿の「紅いもタルト」が元祖だということをどう発信しているか

年間3000万個売れている沖縄みやげ ゴールデンウィークがはじまりましたね。 旅行に行く方も

記事を読む

鶴雅のロビー近くの翼の彫刻

誰もが創造力という翼をもっている

  ボクのお客さま、北海道の鶴雅グループの本社がある阿寒湖のホテルのロビー近くに、大

記事を読む

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ
  • twitter
  • facebook
  • google
  • instagram
  • pinterest
  • feedly
  • livedoor
  • rss
この商品がどういう問題を解決してくれるのかを訴求
どんなにいい商品でも、その価値を伝えなかったら、いい商品ではないのです。

「お客の心に届くコトバ」は、この視点から生まれる。 以前の記事「販促

文字だけの手紙のようなDM
反応がよかった
販促物のファーストシーンは、キャッチコピー。

出だしで巻き込め! 以前の記事「販促物と演劇の作り方は似ていると思う

販促に接した人が行動しやすか?
あなたのビジネスの物語、ハッピーエンドにしなきゃ。そのステップを書いてみた。

ラストシーンが重要なのだ! 以前の記事「販促物と演劇の作り方は似てい

セミナーの様子
短パンとTシャツでセミナーしました
台風で中止になるかと思った沖縄セミナー 大好評で終了

自分はできない そう思い込まないこと 昨日は、台風が来るという予想だ

楽器屋さんの店頭にあった黒板
停年退職したお父さんに向けて楽器教室の告知
販促物と演劇の作り方は似ていると思う

反応のいい販促物の作り方ってあるのか? 「チラシを作らなきゃ」 「

→もっと見る

PAGE TOP ↑