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竹内研究室の日記 RSSフィード Twitter

2014-08-02

ハードの開発で勝っても、儲ける部分のシステムやサービスで負ける日本。そもそも興味が無いのかもしない。

来週、シリコンバレーにあるサンタクララで開催されるFlash Memory Summitでフラッシュメモリの高信頼化技術を発表してきます。

Shuhei Tanakamaru, Tsukasa Tokutomi and Ken Takeuchi, “Highly Reliable Storage System with Triple-Level Cell (TLC) NAND Flash Memories,” Flash Memory Summit, August 2014.

フラッシュメモリサミット(以下、FMS)というのは純粋な学会というよりも、技術をビジネスを結びつける会合です。

フラッシュメモリは日本が生み出したハードウエアですが、FMSで議論されるのはメモリのハードというよりは、フラッシュメモリを使ったシステムやサービスの話が大半です。

メモリの製造には数千億円もの投資が必要で、世界で作れる企業は数社だけ、もはや新規参入は難しいでしょう。

しかし、ビッグデータとも言われるように、膨大なデータを検索したり、データを解釈することで付加価値が生まれています。

技術的にはデータを格納するメモリをいかにしてうまく使いこなすかが大事になっているのです。

FMSでは400-500件もの発表が行われ、数千人が参加するようですが、ほとんどの人の興味は、メモリの製造ではなく、メモリを使いこなしてサービスを生み出すシステムの部分です。

メモリを製造するのとは違って、メモリを使いこなすのはアイデア勝負で、ハードの製造のような巨額な投資は必要ありませんから。

一方、マネタイズの意味では、単にハードを売るよりも、ハードを使ったサービスを提供した方がはるかに利益が大きい。

ハードは投資が巨額の割には薄利多売になりがちなのに比べて、サービスはその反対なのです。

この会合は「フラッシュメモリサミット」と、ハードの名前がついているものの、参加者のほとんどが「メモリというハード」を手掛けるつもりは全くないのです。

ハードの学会には日本人が比較的多く居る一方、残念なことに、こういうシステムよりの会合になると、日本人の姿が本当に少ない。

せっかく日本はフラッシュメモリという画期的なハードを生み出したにもかかわらず、それを使って儲ける部分には、日本の人の存在感は本当に薄い。

本当にもったいないことです。

苦手だからやりたくない、のかもしれませんけどね。

メモリを使いこなすコンピュータシステムやサービスを研究している私も、段々日本で研究することが難しくなっています。大学もパートナーとして海外の企業を求めざるを得なくなっています。

もはや日本企業にはさして期待できないので、FMSは大事な商談の機会になるでしょう。

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