阿部彰芳
2014年8月2日15時41分
ゴマや赤ワインの成分が、人工的に老化現象を起こした細胞を長生きさせることを京都大の阪井康能教授(分子細胞生物学)らのグループが確かめた。これまでは人での疫学調査などで、老化防止の効果が報告されてきたが、細胞レベルではよくわかっていなかった。英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版にこのほど発表した。
細胞が老化すると、異常なたんぱく質がたまり、細胞を傷つける酸化ストレスが生じやすくなる。これらが原因で細胞が死に、アルツハイマー病などもこうした仕組みで起きる。
阪井教授らは、異常なたんぱく質を分解するたんぱく質に着目。ハムスターの細胞でこの働きを抑え、人工的に異常なたんぱく質がたまりやすくして観察したところ、酸化ストレスが上がり、細胞の生存率が4割ほど下がった。一方、抗酸化作用があるとされる赤ワインに多いポリフェノールやゴマ成分のセサミンを与えると、細胞の生存率が1~2割回復した。
これらの成分は細胞内のエネルギー物質を作り出すミトコンドリアの働きを改善していることがわかった。ミトコンドリアに障害があると酸化ストレスを引き起こす活性酸素が生じやすくなるという。阪井教授は「細胞レベルで酸化ストレスと細胞死の詳しい仕組みがわかれば、アルツハイマー病などの予防法の開発につながる可能性がある」と話している。(阿部彰芳)
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